パット・メセニー、マイルス・デイヴィスらのジャズ、スティーリー・ダン、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランらのロックなど、愛する音楽 + "α" を日々の糧にして・・・

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2005年03月05日カテゴリー:パット・メセニー

パット・メセニー on N.Y.Times (4):Fugue No. 22 in B-Flat minor

本編の前に私ごとですが、今日はかなりハード・スケジュールです。
複数の用事が入っている上に、無理矢理マーカス・ミラーとの写真撮影会を予定にねじ込んで(^^;、さらに用事を済ませた後に東京BNでマーカスのライブです(^^;

たぶん今日はもうアクセスできないと思いますので、コメント等をいただいても返事は明日以降になります。ご了承下さいm(__)m

さて、前置きが長くなりましたが、パット・メセニー N.Y. Timesインタビュー第4回。
今回はこれまでとちょっと路線が変わり、演奏面でのお話です。

そして取り上げるのはなんとグレン・グールド!

【Bach: The Well-Tempered Clavier, Book 1】
Bach: The Well-Tempered Clavier, Book 1
曲としてバッハのフーガ22番を取り上げていますが、メセニーが着目したのは演奏者としてのグールドの方です。

グールドのCDも何枚かはあるんですが、これまた残念ながら私の手元にはありません。

これまでよりもちょっと短めですが、どうぞご一読下さい。

では!

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音楽を生き生きとさせる

メセニーが神聖視する、超新星のような存在であるポール・ブレイの話から、話題はリズム、メロディー、ハーモニー、そして作曲そのもへと展開していった。そして今度は楽器演奏の「タッチ」を主題に取り上げた。

彼はグレン・グールドが1965年に録音した「The Well-Tempered Clavier, Book I」から「第22番 変ロ短調 Bwv 867 フーガ゙」をプレイヤーにかけ、楽譜に沿って聴いていった。

「Bフラット・マイナー。最も悲しいキーだ。」曲を聴き終えて、メセニーが言った。

「この曲を取り上げた一番の理由は、ピアノのように演奏するのに息を使わない楽器から、叙情的で、ほとんど人の声で歌っているかのような演奏を引き出しているからだ。

「自分たちは、ある意味同じような義務を託されているんだ。誰かが歌っていると思われるような演奏する、という義務をね。だから演奏するフレーズに感情を込めようと努力するんだ。

メセニーは言った -- ジャズギターの演奏を拒む人がいる理由の一部は、ギタリストが呼吸の感覚を演奏に反映させないからだ、と。

「サックスプレイヤーにはとても幅広いダイナミック・レンジがある。彼らがこれくらいのレンジを扱っているとしたら

-- と両手を足幅ほどに広げて、

「僕らギタリストなんてこんなものさ。タッチに関してできることなんてね。」

-- 彼は親指と人差し指で4インチ(約10センチ)ぐらい広げて見せた。

メセニーは、グールドがフレーズをいかに肉体的に生き生きとさせているかを語った。

「一音たりとも、同じ音量の音が存在していない。これをギターでやる場合は、心の中で実際以上に大げさにとらえてないといけないんだ。もっと幅広いダイナミック・レンジの幻想を抱くよう努めるんだよ。

これをギターではっきりと示したのがジム・ホールだ。彼は柔らかくピッキングすることで、ダイナミクスを上下に5~6段階も広げたんだ。それで彼は演奏をもう少し躍動させることができたんだ。」

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これまでとちょっと角度を変えて、演奏の側面に着目した第4回、いかがだったでしょうか。

たぶん今回は、これまでよりも訳のミスは少ないんじゃないかと思われます(^^;

どーにもこーにもブルドッグ的な難所はなかったですし(古ッ! 笑)、一応ギターをやっていたので、結構感覚的にわかるところもあったので、ところどころで確信犯的な意訳もしています(^^;

それにしても「Bフラット・マイナー、一番悲しいキーだ」にはやられました(笑)

そもそもキーって、カラオケでお馴染みのように、ボーカル曲はボーカルに合わせますし、器楽演奏の場合とかはメインの楽器の得意とするキーになることが多いですよね。トランペットがBフラットでサックスがEフラットでしたっけ?(違ってそうな予感(笑)) ギターは開放弦が使いやすいE, Aがやっぱりやりやすいです。

でも、そういう外在的要因とは別に、確かにキーによる雰囲気ってあるんですよね。色にたとえる人もいるし、自分もなんとなくは感じることもあるんですが、メセニーは12のキーすべてを把握した上でああ言ってるんでしょうね。やっぱり恐るべしです。

それから主題のタッチの件ですが、これ、メセニー本人もさすがにものすごいピッキング・コントロールしてると思いますよ。

「Question And Answer」収録の「Old Folks」の楽譜が手元にあるのでときどき弾いてみたりするんですが(もちろんテンポをグッと落として(笑))、メロディーと「合いの手」の和音がいかに音量の落差があるか、弾いてみるとよくわかります。リードとバック二人のギタリストがいるんじゃないか、っていうぐらいの弾き分け方です。楽譜ヅラはそれほど難しくない箇所でも、この音量差を出すのがすごい難しいんですよ。最初自分で弾いてみた時は本当に驚きました。

・・・え、オレが下手なだけ? こらまた失礼いたしましたっ!(笑)

と、おあとがよろしい(のか?(笑))、今回はこの辺で。

いよいよ次回で最終回です!

参考:原文記事
"The New York Times - Listening to CD's With: Pat Metheny: An Idealist Reconnects With His Mentors"

バックナンバー:
パット・メセニー on N.Y.Times (1):All The Things You Are

パット・メセニー on N.Y.Times (2):Seven Steps to Heaven

パット・メセニー on N.Y.Times (3):Passarim

続き:
パット・メセニー on N.Y.Times (5):If You Could See Me Now

投稿者 Kota : 2005年03月05日 13:28
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コメント

>これをギターではっきりと示したのがジム・ホールだ。彼は柔らかくピッキングすることで、ダイナミクスを上下に5~6段階も広げたんだ。それで彼は演奏をもう少し躍動させることができたんだ。

この「タッチ」の感覚は、楽器を演奏しない私でもよく分かります。

トランペットやサクソフォンなど金管で表現されるオリジナル曲のメロディをギターで演奏する時に、ダイナミクスの貧弱さを感じさせないのがJホールとPメセニーなんです。
(他にもあると思いますが知らないだけで)

おっと!

翻訳、お疲れ様!

Mミラー、どうでしたか?!

投稿者 longrow1967jp : 2005年03月05日 13:54

longrow1967jpさんこんばんは!

先ほどマーカスのライブから帰ってきました!

> トランペットやサクソフォンなど金管で表現されるオリジナル曲のメロディをギターで演奏する時に、ダイナミクスの貧弱さを感じさせないのがJホールとPメセニーなんです。

なるほど~。
自分ちょっとギターやってるクセにあまりダイナミクスに注意して聴くなり弾くなりしたことなかったので(^^;、これから気にしながらいろいろ聴いてみようと思います。

確かにロック系ではエフェクトのせいもあって、ジャズほどダイナミクスって重要視されてないような気がします(そうでもないかな(^^;) サンタナやベックのタッチはスゴイといつも思うんですが。

> 翻訳、お疲れ様!

どうもありがとうございますm(__)m
あと一回、頑張りたいと思います。

> Mミラー、どうでしたか?!

大盛り上がり大会でした!(笑)
ただ、もう完全にジャジーな要素はなくなっちゃった感じですね。
そこがちょっと残念な気もしましたが・・・

2ショット写真も撮ってきました(笑)
明日(というか今日)自分の顔は潰してから(笑)、アップしたいと思います(^^;

ではまた!

投稿者 Kota : 2005年03月06日 01:31