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2005年07月07日カテゴリー:パット・メセニー

パット・メセニー・トリオ in モントリオール・ジャズ・フェス!

行って来ましたパット・メセニー・トリオ in モントリオール!

お騒がせしていたワイヤレス接続不可ですが、Windowsの「システムの復元」で復活させることができました(^^;

というわけで復活記念のレポート(笑)、早速行ってみます!(^^)/

トリオ・ライブの会場は地元のライブハウス。
フェスティヴァル期間中は公式会場の一つとして扱われています。

こちらがその入り口。

「Spectrum」というところです。ちょっと古ぼけた感じですが(笑)、中は結構広いです。ブルーノート東京よりも広かったですよ。

これが入り口の看板。「午後8時からアントニオ・サンチェス、スコット・クーリーとのパット・メセニー・トリオ」と書かれていますね(って見りゃあわかるか(^^;)

開演は8時なのですが、ライブハウスなので座席指定はなくて早いもん順、いわゆるFirst Come, First Serveでした。それはわかっていたのですが、昨日は生憎の雨で移動に手間取り、会場に着いたのは7時ごろ。BN東京で言うところのフロアーはもちろんすでにいっぱいで、とりあえずミキサー卓の少し後ろのテーブルに陣取ることができました。

しかし一人で来るとこういうときがツライですね(^^; 開演まで1時間以上ありましたが、何もすることがありません(^^; しょうがいないから「どうやったらワイヤレス接続直せるか」をずっと考えてました(笑) まあそれで「システムの復元」を思い出したのも事実なんですが(^^;

そんなこんなで8時を20分ほど過ぎたころでしょうか、観客もしびれを切らして催促の拍手を何度も繰り返した後、ようやく主催者の一人が挨拶のスピーチを行い(フランス語だったので皆目わからず(^^;)、彼の紹介に促されてパットが登場しました!(^^)

ステージは向かって左手にパットの機材、中央がドラム・セット、右側にベースアンプとウッドベース、という配置です。

パットはバリトンギターを片手に登場すると、間髪を入れず椅子に座ってすぐさま「Song for Boys」を演奏し始めました。いつもながらの力強いストロークが、会場全体に響き渡ります。

演奏が終わるとこれまた即座にギターを持ち替えます。今度はピカソです。

このピカソの演奏は、これまで私は聞いたことがないものでした。まあキーが固定ですからそれほど大胆に違った演奏ができるものでもありませんが、少なくとも「Into The Dream」ではなかったと思います。左手のハンマリングによるベースラインがちょっとポップでわかりやすい進行をしていました。

そしてピカソの演奏が終わる間際にサンチェスとクーリーが登場、それぞれがポジションに付くとベースがいつものあのラインを始めました。そう、「So May It Secretly Begin」です(^^)

イントロの間にパットもギターをフルアコに持ち替え、イントロパートのリピート中にいつもの「ク、キューン」(笑)を2, 3度繰り返して合流、厳かにメロディーを奏で始めました。

この曲に限らず他の曲もそうだったのですが、今回ベースが臨時?のスコット・クーリーだったので、ベース・ソロがクリスチャンとのトリオの時より減っていました。ですのでクリスチャンが取るべきソロの小節を、感覚的には2:1ぐらいで(笑)パットとアントニオに振り分けていた感じです。ですのでパットのソロがテンコ盛り!(笑)

ここ数年お決まりの手癖フレーズも減っている気がしますので、余計ソロ・パートは面白かったです(^^)

お次もトリオの定番「What Do You Want?

いや~、これがスゴかった! 私が聞いた中では最もエキサイティングなバージョンでした!

別にアレンジが変わっているわけではないんですが、ステージ左手のパットは中央のアントニオを挟んで右手のスコットと向き合って、ノッケのテーマからもう3者のバトル状態! パットがバンバンと高速フレーズを繰り出すのに合わせ、向かいのスコットもハイスピードの4ビートランニングでパットにしっかりと応えます。そしてその二人をさらに煽っていくサンチェス!

正直この曲は特に好きではないんですが(笑)、この演奏はまさに息もつかせぬという表現がピッタリの白熱ヴァージョンでした(^^)

ここでいったんパットのMCが入ります。さっきまでフランスにいたんだけど、もう何がなんだか・・・みたいなことを言っていたと思います(^^; まあものすごいスケジュールですもんね。このトリオであまり練習する時間がなくて、今日10時間ほどやってなんとか間に合わせた、みたいなことも言っていたと思います。あんまり自信ないですが(^^;

そして「これはあんまりやったことないんだけど、以前トリオで作ったアルバムに入れた曲です」といって、「Question And Answer」から「Never Too Far Away」を演奏しました。Q&Aからのバラードだと大体「Change of Heart」が来るので、確かにこの選曲は珍しいかもしれません。私も久しぶりだったので、新鮮に聞くことができました(^^)

そして一言「New Song」と言って次の曲を開始。前回のトリオで演奏された新曲です。確かナンバー11だったはず(笑) いい加減名前付けてほしいですが(笑)、これはもうカンペキに定番のようですね(^^) 発売予定のトリオライブのアルバムにもきっと収録されることでしょう。

この後少し長めのMCが入りました。モントリオール・ジャズ・フェスティヴァルの思い出を語りつつ、俄かにフィンガー・プレイで余興のように演奏を始めました。テーマ部を1コーラス終えたところで演奏の手を止め、「これはモントリオールで原型を作った曲だから、タイトルも『Sun in Montreal』にしたんだ。そう、この街で作った曲なんだ。

ここで作ったのがもう一曲あって、『Bright Size Life』に入ってるのがある。アルバムはもちろんスタジオで作ったんだけど、曲のラフなスケッチはここで作ったんだ。今からそれを演奏するね」

そう言って演奏したのは「Sirabhorn」でした。モントリオールで作ったというのは知りませんでした。ミッドテンポの穏やかな曲ですが、後半はちょっとリズムパターンを変えてアレンジされたパートを追加していました。

こういう前フリをしたらやはりこれもやらざるを得ないでしょう、ということでお次はタイトル・チューンの「Bright Size Life」!

やっぱりいつ聴いても爽やかでいい曲です(^^)

お次はリフっぽい和音下降のイントロ。「おおっ、これはもしや!」と思ったら案の定「Vera Cruz」!

ミルトン・ナシメントに提供した曲ですが、めっちゃカッコいいんですよね、これ! 大好きなナンバーなんですが、ナマで聴くのはたぶん初めて。個人的にはこれがこの日の最大のヒットでした!(^^)

特にすごかったのがサンチェス!
まあこの人はすごいのがいつものことなんですが(笑)、ドラムソロでいつものフットペダルによるカウベル4つ打ち(通称木魚打ち(笑))がさらに進化しまして、毎裏拍にハイハットが追加されてました(笑) つまり「コン、コン、コン、コン」が「コン・シャ、コン・シャ、コン・シャ、コン・シャ、」になっていたわけです(笑) それでいて手数は相変わらずですから、ホントにバケモノですね、この方は(笑)

怒涛の「Vera Cruz」の後はガット・ギターに持ち替えて「Night Turns into Day」です。と思うんですが、もしかしたら違ってるかもしれません(^^;

ここでパットにしては珍しく、テーマの途中でハタと演奏をやめて振り返り、ギター・テクニシャンを呼びました。チューニングに問題があったようで設定をしなおして「ゴメンね、機材から何からバタバタだったから」みたいなことを言ってました。でもここで観客が「気にしてないよ!」という歓声や拍手が沸き起こって、返って親密な雰囲気が醸し出されました(^^)

気を取り直して再度演奏を開始。ここでもサンチェスのメロディーを生かすブラシ・ワークが冴えてました。

今度はアコースティックに持ち替えて、「次の曲は『Rejoicing』アルバムのトリオでやった曲です。ホレス・シルバーの素晴らしいバラッドです」という紹介をし(本当はもっといろいろ言ってましたが、よくわかりませんでした(^^;)「Lonely Woman」を。

実はそう紹介した後、パットはすぐに演奏を始めず、イントロの進行の左手のフォームを、弦を押さえずに指板の上で数回なぞって確認していました。ステージ上でこんなことをするのは珍しいことだと思います。何度も演奏しているはずの曲ですが、さすが練習の鬼というか、演奏にかける執念、その完璧主義さぶりを垣間見た気がします。曲は静かな中にも熱い情念を感じさせるような素晴らしい演奏でした。

そしていつものお別れ前の挨拶とメンバー紹介をし、最後はお約束の「Question And Answer」です(^^)

前半フルアコ、後半シンセ・ギターで、これまたお約束の大盛り上がり大会! いや~、この日もシンセ・ギター吠えまくってました!(笑)

演奏終了とともに大歓声が沸き起こり、その中を退場していく3人。もちろん会場の勢いは収まらず、そのまま熱狂的なアンコールのコールとなり、ほどなくして再度3人が登場! シンセ・ギターを手にしたパットは軽くミュートでリズムを刻み、これまた大盛り上がりの「Cantaloupe Island」!

パットは最初クリーン・トーンでしたが、後半はクランチをかけていました。「The Way Up」パート1のあの音色ですね(^^) ロッキッシュなサウンドで、怒涛の速弾きの中にもロング・トーンが多用され、かなり勢いのあるアグレッシブな演奏でした。

演奏を終えた3人は観客の歓声に迎えられつつ最後のカーテン・コールを。その時のお約束の盗み撮りがこれです(笑)

相変わらずのボケっぷりですいません(^^;

そうそう、ご覧になればおわかりのとおり、パットは白地のシャツじゃなかったんです、水色地です。それでも横縞は相変わらずでしたが(笑)

ということで、ベースがクリスチャンではないのでちょっとイレギュラーなトリオだったかもしれませんが、日本と違ってMCも多く(笑)、ちょっとしたトラブルなどがいい方向に向かって、親密な雰囲気を作っていたライブだったと思います。

以上、パット・メセニー・トリオ in モントリオール・ライブレポートでした!(^^)

投稿者 Kota : 2005年07月07日 01:23
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コメント

いいですね~モントリオールでパットのトリオ。
いつもながら楽しく読ませていただきました。ほんま、音まで聴こえてきそう・・・

パットのVera Cruz聴きたいですね!
ちなみにこの曲はパットの作曲ではないですよ。もちろんミルトンの大ヒット曲です。オリジナルバージョンは1969年じゃなかったっけ?
僕も大好きな曲です。ミステリアスなメロディーとコード進行がたまりません♪もちろんうちのバンドはこの曲から名前をいただきました。

引き続きレポート楽しみにしてますね!

投稿者 datchy : 2005年07月07日 12:10

少ない練習時間でここまで聴かせてしまうのは、3人の相性と元々の力量なんでしょうね。

さすが。

>パットがバンバンと高速フレーズを繰り出すのに合わせ、向かいのスコットもハイスピードの4ビートランニングでパットにしっかりと応えます。そしてその二人をさらに煽っていくサンチェス!

特にサンチェスとクーリーの気が合わないと、酷い事になってしまうと思うのですが、ばっちりタイミング決まっていたようですね。

What Do You Want?私はこの曲、けっこう好きなんです、へへへ。

パットのトリオによるNew SongとVera Cruz、Cantaloupe Islandは聴いたことがないのでCDかDVDででも聴けることを祈っています。

イレギュラーということで大サプライズの曲やアレンジは特別無かったようですが、それでも生PMT!素晴らしい経験をされましたね~っ!

今後のフェスティバルは最終日まで怒涛のPメセニー弾きまくり大会ですよね?どうかお体のコンディションだけはお気をつけになって楽しんで下さい!

投稿者 longrow1967jp : 2005年07月07日 12:28

生Vera Cruzいいなあ!

投稿者 tar_ks : 2005年07月07日 23:58

あ、復帰してる。ようございましたね。

>ここ数年お決まりの手癖フレーズも減っている気がしますので、
わ!ここでは、禁句かとおもってましたぁ。
軽く、やり過ごして、、、
その・・臨時雇いのScott Colleyは、私が大好きなベースです。
何度も、、、言ってますよね。。。あ、クリスチャンじゃないんだ、とかぁ。
前衛的なもんから、オーソドックスなもんまで、すばらしベースっす!
でも、まぁ、クリスチャンじゃ、ないわけだ。

しかし、どの曲もすごく面白かったようで、おめでとうさんです。
やっぱ。ラヴァのレポートより、生き生きしてますね〜♪
「Vera Cruz」私もその場で聴いてみたかったです。
では、引き続き現地レポートたのしみにしてます。

投稿者 すずっく : 2005年07月08日 11:47

▼datchyさん
いつもコメントどうもです!

> ちなみにこの曲はパットの作曲ではないですよ。

あ、そうだったんですか!
しょっちゅうパットがやってるのでてっきり自分の曲かと思ってました(^^;

> 僕も大好きな曲です。ミステリアスなメロディーとコード進行がたまりません♪

ですよね(^^)
カッコいい曲だと思います。

> もちろんうちのバンドはこの曲から名前をいただきました。

なるほど、やはりここからでしたか(^^)

> 引き続きレポート楽しみにしてますね!

残りは帰国後になりますが、よろしくです(^^)

▼longrow1967jpさん
まいどです!

> 特にサンチェスとクーリーの気が合わないと、酷い事になってしまうと思うのですが、ばっちりタイミング決まっていたようですね。

もう文句なしにバッチリでした!

> What Do You Want?私はこの曲、けっこう好きなんです、へへへ。

すんません(^^;
私は今回のこのライブで印象が変わりましたです(^^;

> 今後のフェスティバルは最終日まで怒涛のPメセニー弾きまくり大会ですよね?どうかお体のコンディションだけはお気をつけになって楽しんで下さい!

ありがとうございます。残り2ライブ、存分に楽しんで機体と思います(^^)

▼tar_ksさん
こんばんは! いつもどうもです!

> 生Vera Cruzいいなあ!

自分にとっても非常にラッキーでした!(^^)

▼すずっくさん

> わ!ここでは、禁句かとおもってましたぁ。

なはは!(笑) 別に構わんですよ(笑)

> 前衛的なもんから、オーソドックスなもんまで、すばらしベースっす!

ですね、かなりの凄腕と思いました。

> やっぱ。ラヴァのレポートより、生き生きしてますね〜♪

だってラヴァはほんとにライブが初体験で、CDも何も全然聴いたことなかったですから(^^;

> では、引き続き現地レポートたのしみにしてます。

とりあえずミズーリ・デュオで打ち止めとなってしまいましたが(^^;、帰国後にまた書きますのでよろしくです(^^)

では!

投稿者 Kota : 2005年07月09日 02:46

メセニーはそれほど好きでもないですが、bright size lifeだけは気になってしまってます。
jacoだったから。ってだけなんですけど。

投稿者 bright size life : 2009年10月27日 03:59