パット・メセニー、マイルス・デイヴィスらのジャズ、スティーリー・ダン、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランらのロックなど、愛する音楽 + "α" を日々の糧にして・・・

« 山古志村の柴犬マリちゃん、またお父さんと住めるかも? | メイン | マイ・セカンド・PC起動せず・・・ »

2005年04月06日カテゴリー:ジャズ

ジョー・サンプル&レイラ・ハサウェイ:The Song Lives On

先日の塩谷さんのライブに一緒に行った吉田シュウさんは、基本的にジャズ・ピアノがお好きなようで、塩谷さん以外に好きなミュージシャンがジョー・サンプルだそうです。

確かに塩谷さんの硬質で力強いタッチは、ジョー・サンプルに通じるものがあるな、と私も感じたので、シュウさんの好みの一貫性をかいま見た気がしました(女性の好みは全然一貫性なんかなさそうですけど(笑))

私もジョー・サンプルのアルバムで好きな物が何枚かありますが、割とよく聴くのがレイラ・ハサウェイとの二人名義になっている「The Song Lives On」です。

【Joe Sample & Lalah Hathaway / The Song Lives On】
Joe Sample & Lalah Hathaway / The Song Lives On
レイラ・ハサウェイは皆さんご存知の通りダニー・ハサウェイの娘で、マーカス・ミラーのCD、ライブでもお馴染みのヴォーカリスト。低め、暗め、ハスキーがかったブルージーな声で、まさにソウル、ファンク系にもってこいという感じです。

「The Song Lives On」はジョー・サンプルのセルフ・カバー的な選曲で、基本フォーマットはアコースティック・ピアノ、ベース、ドラムスのアコースティック・トリオで、曲によりギター、パーカッション、テナー・サックス、シンセ等が加わります。

全11曲のうちレイラ・ハサウェイのヴォーカル曲は7曲。その他がインストゥルメンタルという、ちょっと変則的な構成です。でもアルバム全体のカラーは統一されていて、非常に聴きやすいアルバムです。

メンバーは下記の通りです。

Joe Sample : Piano, Keyboards, Arranger, Producer
Lalah Hathaway : Vocal, Arranger
Jay Anderson : Bass
Walfredo Reyes Jr. : Drums
Kirk Whalum : Tenor Saxophone
Lenny Castro : Percussion
Michael Thompson : Guitar
David Delhomme : Synthesizer
Bill Schnee : Producer, Engineer

プロデューサー兼エンジニアがビル・シュニーというのが個人的にはポイント高いです。

それからサックスのカーク・ウェイラムがいい仕事してます(^^)
あとギターのマイケル・トンプソン。私は知らない人なんですが、バックに徹しつつも、時折渋いフレーズを繰り出したりして、つい耳をそばだててしまいます。

さて、次に収録曲ですが、

1. Song Lives On
2. Fever
3. Come Along With Me
4. Living in Blue
5. Street Life
6. When Your Life Was Low
7. One Day I'll Fly Away
8. When the World Turns Blue
9. For All We Know
10. Bitter Sweet
11. Long Way from Home

ジョー・サンプル / クルセイダーズをお聴きの方にはお馴染みのナンバーが多いかと思います。

ちなみにレイラ・ハサウェイのヴォーカル曲は2, 3, 5, 6, 7, 8, 9です。

ダルなムードたっぷりな「Fever」や、しっとりと歌い上げる「When Your Life Was Low」、ジョー・サンプルの透明感溢れるピアノとピッタリマッチしている「
One Day I'll Fly Away」、そしてミドル・テンポでソウルフルなお馴染みの「Street Life」など、ジョー・サンプルとレイラ・ハサウェイのコンビネーションの良さがハッキリと証明されている好演ばかりです。

おっと、忘れてはいけないのが8の「When the World Turns Blue」。

タイトルに見覚えがなくても、曲を聴けばすぐに「おっ!」と皆さん思うはず。

これはジョー・サンプル最大の代表曲、「Melodies of Love」のヴォーカル・ヴァージョンなんです。もちろんオリジナルは歌詞のないインスト曲でしたから、このアルバム用に作成された歌詞だと思います。

残念ながら歌詞の意味が分かるほどのヒアリング力がないのですが(^^;、出だしの「タン、ト、タン、タン、トーン」(肩たたきかよ!(笑))が「When The World Turns Blue」と歌われており、ここからタイトルを取って来たんでしょうね。まあ個人的には別にタイトルだけは「Melodies of Love」でもよかったように思いますが。やっぱり通りがいいですからね。

これまたオリジナルのメロディーを、レイラ・ハサウェイが忠実に、大切に歌い上げており、名曲「Melodies of Love」の1ヴァージョンとして、十分聴き応えのある仕上がりになっています。

さて、ヴォーカル曲ばかり説明してきましたが、実はインストものの良さがこのアルバムの「ミソ」です。

特にタイトル・チューンの1「The Song Lives On」。

これ、名曲ですよ〜!

恐らくこのアルバムのための書き下ろし曲です。

このアルバムを聴く前は、レイラをフィーチャーしたちょっと変則的なセルフ・カバー・ベストの企画モノ、という先入観を持っていたのですが、この1曲目の「The Song Lives On」を聴いて、「このアルバムは買いだ!」と即座に思いました。これ以降の曲がダメでも、この一曲だけでもう十分だ、と思いました。

ここで光ってるのがカーク・ウェイラムのサックス。
哀愁を帯びたマイナー・メロディーを、い〜感じで演奏してるんですよ。
ちょっとサンボーンを想起させる切なさと情感のこもった演奏で、まさに夜一人で静かに聴きたい「ナイト・メロディ」です。ジョー・サンプルの作曲センスがよく表れている秀曲です。

そしてラストの11「Long Way from Home」はオルガン・サウンドをバックに、のどかでゆったりとした米南部を思い起こさせる曲。これを聴いていると、ちょうどクルセイダーズの「ルーラル・リニューアル」のモノクロジャケットのような風景が頭に浮かんできます。どこか「テネシー・ワルツ」に似ていますね。のどかで、穏やかな演奏でアルバムの幕をゆっくりと閉じます。

なお、日本盤にはボーナス・トラックとして12「It's A Sin To Tell A Lie」が収録されています。私が持っているのもこの日本盤の方ですが、この曲はラグタイムの小曲で、ジョー・サンプルお得意のハネ系とレイラのノリのいいボーカルを聴くことができます。でもまいまいかにも「オマケ」という感じですし、アルバムとしては11で終わった方がいいように思いますので、ムリに日本盤を買う必要はないかと思います。

ジョー・サンプルはアルバムによっては結構シンセも多用しますが、このアルバムではアコースティック・ピアノがメインです。やっぱりジョー・サンプルはアコースティックがいいですね。

ちょっと疲れた時や、夜一人で部屋にこもって作業をする時などは、私はよくこれをかけています。ピアノとヴォーカルのコンビネーションによるジャズ・アルバムとしてオススメの一枚です。

投稿者 Kota : 2005年04月06日 12:24
人気blogランキング111クリックして下さるとウレシイです(^^ゞ
←できたらこちらもクリックよろしくですm(__)m

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://redsky.under.jp/cgi2/mt/mt-tb.cgi/175

コメント

このアルバムは私も大好きな1枚。
「Joe Sample」の作品の中でも5本の指に入るほど好きなアルバムです。
「Street Life」のアレンジにはヤられました!

それと「Melodies Of Love」の件ですが、
実は70年代か80年代の女性ソウル・シンガーがカバーしていて、そのタイトルが「When the World Turns Blue」だったんです。
アーティスト名が思い出せないのが・・・残念です。
私もレコードで持ってるのででも押入れを引っ張り出したら見つかるはずなんですが、3日ぐらいかかりそうなんで諦めてます(笑)。

投稿者 Musicman : 2005年04月06日 15:15

確かMerry Claytonがカバーしてましたよね。最初のボーカルバージョンは彼女だったと思います。
その後はサリナ・ジョーンズから確か阿川泰子まで。たくさんのバージョンがあります。

残念ながら僕自身はこの曲も、このアルバムもあんまり気に入ってませんでした。売っちゃいましたもん!

レイラは好きなシンガーですが、チャカと同じでやっぱりアップ物のドファンクがいいですよ!
このアルバムでは大人しすぎます。
StreetLifeもRandyバージョンとは差がありすぎて、聴く気になれませんでした。

まあ、好みは色々と言うことで・・・・

投稿者 datchy : 2005年04月07日 00:31

Musicmanさんこんばんは!

またのご来訪&コメント、どうもありがとうございます!

> 「Joe Sample」の作品の中でも5本の指に入るほど好きなアルバムです。

そうですね、私も5枚の中に入ります、これは(^^)

> 「Street Life」のアレンジにはヤられました!

ですね(^^)

> それと「Melodies Of Love」の件ですが、
> 実は70年代か80年代の女性ソウル・シンガーがカバーしていて、そのタイトルが「When the World Turns Blue」だったんです。

なるほど、それは知りませんでした。

> 3日ぐらいかかりそうなんで諦めてます(笑)。

それはレコードの枚数が多いのでしょうか、それとも押入が広大な広さなのでしょうか?(笑)

ちょっとMusicmanさんのブログで気になるエントリーがありましたので(^^;、後でそちらにお伺いします!

☆datchyさん

こんばんは! いつもどうもです。

> 確かMerry Claytonがカバーしてましたよね。最初のボーカルバージョンは彼女だったと思います。
> その後はサリナ・ジョーンズから確か阿川泰子まで。たくさんのバージョンがあります。

なるほど~。情報ありがとうございました!

> 残念ながら僕自身はこの曲も、このアルバムもあんまり気に入ってませんでした。売っちゃいましたもん!

あらら(^^;

> レイラは好きなシンガーですが、チャカと同じでやっぱりアップ物のドファンクがいいですよ!

私もチャカはバラードとかより絶対ファンク物の方がいいんですが、レイラはこういうおとなしめの方が好きなんです。

> まあ、好みは色々と言うことで・・・・

ですね。前にもここによく来て下さるlongrow1967さんとも言ってましたが、全部同じ好みだったら返って気持ち悪いですからね(笑)

ではまた!

投稿者 Kota : 2005年04月07日 00:56

出遅れました(笑)

> 確かに塩谷さんの硬質で力強いタッチは、ジョー・サンプルに通じるものがあるな、と私も感じたので、シュウさんの好みの一貫性をかいま見た気がしました(女性の好みは全然一貫性なんかなさそうですけど(笑))

両者の和音の使い方が似ていると、お友達である尊敬すべき7つ年下の美人のピアノの先生が言ってました。(形容詞多すぎ)
そんな高度なこと、理解不能でした(笑)。
わかる方、説明して!

私は女性に関しては「All Love」です(笑)。

でもその先生はトップ集団です^^


私はやっぱり純粋なフュージョンのジョーが好きなんです。
アルバムでいうと「Rainbow Seeker」「Carmel」あたり。
その頃出会ったからかな。

このアルバムはこのアルバムで評価していますが、やっぱりピアノメインが聴きたい。。。

昨今ジョーのそういうライブがめったになくなってきてるので、ちょっと残念です。
アーティストは変化していくものなので、またそうあるべきだと思うので、一ファンとして見守っていきたいです。

投稿者 吉田シュウ : 2005年04月09日 13:53

シュウさんどうもです!

> 出遅れました(笑)

シュウさんがあんまりオレのブログをチェックしてくれてない、ということがよくわかりました(爆)

> 両者の和音の使い方が似ていると、お友達である尊敬すべき7つ年下の美人のピアノの先生が言ってました。(形容詞多すぎ)
> そんな高度なこと、理解不能でした(笑)。
> わかる方、説明して!

ふーん、なるほど。
とりあえずもう少し確認してみたいので、その7つ年下の美人のピアノの先生の住所、氏名、電話番号をご連絡下さい(爆)

> 私はやっぱり純粋なフュージョンのジョーが好きなんです。
> アルバムでいうと「Rainbow Seeker」「Carmel」あたり。

あ、そうなんですか。それは初耳。
基本的にアコースティック・ピアノが好きなのかなぁと思ってました。

> 昨今ジョーのそういうライブがめったになくなってきてるので、ちょっと残念です。

ああ、でも去年のピアノトリオのは行かれました?
たぶん大阪BNでもやったと思うんですが。

生ピアノだけのライブで、ジョー本人も非常にリラックスした感じで、とてもよかったですよ。

> アーティストは変化していくものなので、またそうあるべきだと思うので、一ファンとして見守っていきたいです。

ですね。特にジョー・サンプルは引き出しも多いからいろいろできる人ですしね。

ではまた!

ps ここをもっとこまめにチェックしましょう(爆)

投稿者 Kota : 2005年04月09日 18:12


> シュウさんがあんまりオレのブログをチェックしてくれてない、ということがよくわかりました(爆)

イテテテテ。

> その7つ年下の美人のピアノの先生の住所、氏名、電話番号をご連絡下さい(爆)

7つ年下の美人じゃなければ教えるんだけどなあ~。

> あ、そうなんですか。それは初耳。

Kotaさんがあんまり私のブログをチェックしてくれてない、ということがよくわかりました(笑)。

> ああ、でも去年のピアノトリオのは行かれました?
> たぶん大阪BNでもやったと思うんですが。

行ってませんよ。大阪ではやってないと思います。
去年MBのみでソロピアノがあったけど、それも行けず。
そのこと?

> ps ここをもっとこまめにチェックしましょう(爆)

はい、先輩!

しかし我々、ここでも長いな~(笑)。

投稿者 吉田シュウ : 2005年04月10日 00:22

☆シュウさんまいど!

> 7つ年下の美人じゃなければ教えるんだけどなあ~。

7つ年下の美人でないならば私も結構です(爆)

> Kotaさんがあんまり私のブログをチェックしてくれてない、ということがよくわかりました(笑)。

アイタタタタ!(爆)

> 去年MBのみでソロピアノがあったけど、それも行けず。
> そのこと?

あ、たぶんその際のヤツですね、きっと。

東京ではトリオだったんですよ。でも海外とかでは同じコンセプト、同じセットリストで時折ソロでやっていたようです。
東京BNはトリオで、MBはソロでやった、ということなんでしょうね、きっと。

> しかし我々、ここでも長いな~(笑)。

お互い性分のようですな(^^;

ではまた!

投稿者 Kota : 2005年04月10日 10:43