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2005年08月23日カテゴリー:ジャズ

東京JAZZ 2005レポートその1!

今年で4度目になる東京Jazz。私は行くの初めてだったんですが、二日目の21日、昼夜通しの1日券で見て参りました。

たぶん一辺に全部を書くのはムリなので(^^;、予定としては一応二回に分けて、今日は昼の部、そして明日以降に夜の部について書きたいと思います。あ、「明日以降」の「以降」はなるべく早くするつもりです(^^;

当日の出演者やプログラムは公式サイトをご覧下さい。

東京JAZZ 2005

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さて、21日の昼の部、まず先陣を切ったのは山中千尋トリオでした。

山中千尋:アウトサイド・バイ・ザ・スウイング私はファーストとセカンドアルバムを持っていて、特にセカンドアルバムの「When October Goes」がお気に入り。また山中千尋を生で観たことがなかったので、結構今回見たかった人の一人でもあります。

セットリストは、9月7日発売予定の新作「アウトサイド・バイ・ザ・スウイング」が中心でした。

まずはファースト・アルバムのタイトルチューンであり、新作にも再収録される「Living Without Friday」でスタート。軽快でありながら端正で、立ち居振る舞いがきちんとした演奏、という感じでしょうか。

結構小柄な人でしたが、あの小さい体のどこから? という力強い演奏。ハードでアグレッシブな演奏をしても「雑」な印象が全くありません。この辺にやはりバークレー首席卒業生っぽさみたいなのを感じました(笑)

その後はファースト・アルバムにも収録していたデューク・エリントンの「In A Mellow Tone」、新作から、かなりアグレッシブな「インパルシブ」、幾何学的でアヴァンギャルドな雰囲気も漂うタイトル・チューンの「アウトサイド・バイ・ザ・スウイング」と続き、ベース・ソロを挟んでお約束の「八木節」でフィニッシュ。個人的には「八木節」のメロディー途中のシンコペが好きなんですよねぇ(^^ゞ それにこの曲の疾走感がとても心地いいです。見事なアレンジだと思います。

山中は新曲の「インパルシブ」に入る前にMCを入れて、演奏を再開しようとしたんですが、カウントを長く取っていてなかなか曲に入らず、その間に客席の歓声を受けて照れながらまたMCを始めました。

「時間が押してるのであまり長いMCは取れないんですが、次の曲はこの3人でやったことのない曲なので、ちょっとうまく入れなくて・・・。それにしても、ハービーやゲイリー、マーカス・ミラーといったモノスゴイメンバーが控えていて、なんだかバークレーの発表会の時みたいに緊張してます。」と言って照れ笑い。

ライブはNHKが9月にBSハイビジョンで放映するので、映像がステージ脇の大型スクリーンに映し出されていました。その時の表情や、演奏中の本当に楽しそうな笑顔のクローズアップを見て、「ああ、こりゃ容姿で人気が出てるのもわかるな」と思いました。すいません、何せ自分も独りモンなのでついそういう目で(^^;;;

ということで、フェスティバルなのでライブ自体は45分程度の短めの演奏でしたが、かなり楽しめました(^^ゞ

正直言って先週末からスケジュールがかな~りパンパンで、下手したら今日は来れないかも、と思ってました。一応ライブには来れたものの、途中で呼び出しがあるかも、とか、あるいは疲れてるからジェフ・ベックの時と同様寝ちゃうかも、と思ってたんですが(^^;、この山中千尋のオープニング・アクトで割と気分がハイになり(笑)、今日はイケる! と思わせてくれました。

ま、不幸にして悪い予感はこの後当たったんですけどね(^^;

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さて、続いてはトランペッター、テレンス・ブランチャードのステージです。

Terence Blanchard:Flow私はテレンス・ブランチャードは「Jazz in Film」という映画音楽のカバー集しか聴いたことがないんですが、ステージは最新作の「Flow」中心の選曲だったようです。

正直特に期待はしておらず(^^;、ま、良ければラッキー、という軽い気持ちだったんですが、いや~、これは本当にラッキーでした!

テレンスのバンドで特筆すべきはギタリスト兼ヴォイス担当のリオーネル・ルエケの存在。彼はギニア出身とのことなんですが、フルアコの弦にテープらしき物を貼って音をミュートさせ(いわゆるプリペアード・ピアノのギター版、プリペアード・ギターといったところでしょうか)、ボディを叩きながらミュート弦をタッピングし、時折テープを外してサスティンを効かせるとワーミー・ペダルで音程をオクターブ以上も変え、そこにヴォイスを絡ませていくという、まあ、まさに「百聞は一見に如かず」の独特の演奏スタイルを持っていました。

そのルエケの演奏を大きくフィーチャーしたテレンスの演奏は、ワールド・ミュージックの要素を色濃く持ちながらも、決して安易な「借り物」や接ぎ木ではない、新しく、かつ彼独特のユニークなジャズの世界を構築している、と感じました。濃密な音空間でありながら、どこか風通しの良さと不思議な懐かしさのような物を感じさせる音楽。

テレンスには特に期待していなかっただけに(ファンの人すいません(^^;)、「思わぬ見っけモン!」という喜びもあって、非常に楽しめたステージでした。

セットリストは一曲目が不明、二曲目と三曲目が上述の「Flow」から「Over There」と「Wadagbe」、そして最後も不明ですが(^^;、エンディングで「ジャン・ピエール」のフレーズを挟んでの終演となりました。

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三番手は来ました、ゲイリー・バートン

正直言ってこの日のライブ、ヘッドハンターズ以外では個人的に一番の目玉でした。

ゲイリー・バートン:ネクスト・ジェネレーション実はまだ最新作の「ネクスト・ジェネレーション」は聴いていないのですが(^^;、もともとゲイリーは大好きですし、パット・メセニー同様ゲイリーに見出された有望な若手ギタリスト、ジュリアン・レイジの評判を方々で聞いていましたから、これはぜひ見なければ、と意気込んでいました。

いや~、前評判通り、上手いと思いました、ジュリアン。派手なテクニックを使うわけでもなく、もちろんヘビメタ系のような超絶速弾きをするわけでもありませんが(笑)、ソロの構成が上手く、歌心があり、展開も滑らかで、さらに「明るさ」があると思いました。

レイジは初期のメセニーのように空間系エフェクトを多用したりはせず、ストレートな王道的クリーントーンですが、やはりこの「明るさ」というのが特にメセニーの初期をちょっと思い出させる気がして、一言で言えばスムース&メロディアス、といったところでしょうか。あっ、これじゃ二言か(笑)

これがまたゲイリーの澄んだヴィブラフォンの音色と良くマッチするんです(^^) バンド全体の音が、まさに勢いよく流れる清流のような気持ちよさ、心地よさでした。ピアノのワディム・ネセロフスキーも、粗野な外見に似合わず(笑)、流麗なピアノソロを披露していました。バンドメンバー全体のレベルは高かったと思いました。

残念ながらセットリストは全くわからなかったのですが(^^;、45分ほどのステージ、ホントに一瞬の流れの中であっという間に終わった、という感じでした。フルステージで観たかったです。いい演奏でした。ついでにさっきAmazonにCDも注文したので(笑)、届いたら聴き込もうと思っています(^^)

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昼の部のラストはマーカス・ミラー・バンド。まあ昼の部と言っても開始は午後5時を回っていたのですが(笑)

マーカスのライブの様子を書いて、昼の部でこのレポートを完結させた方が美しいのはわかっているのですが、ちょっと体力的に限界っぽいので(^^;、すいませんがここで一旦筆を置きます。よろしかったらマーカス・ミラー・バンドからのレポートの続きも、後日ご覧になって下さいm(__)m

投稿者 Kota : 2005年08月23日 00:55
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コメント

maytumです。こんにちは。
えっ、ここまで読んできて、楽しみにしていたマーカスのレポートが「つづく」ですか?(涙)次回を楽しみにしています。
この土日、僕は急性ウィルス性胃腸炎で腹痛と下痢でダウン。東京JAZZどころではありませんでした。

投稿者 maytum : 2005年08月23日 13:36

僕も行けなかったんで、関西なんですよ・・・、土曜日にずっとFM NHK聴いてました。
何と言ってもHeadhunters!!良かったですね~
久しぶりにあんな過激な音楽聴いたって感じでした。ハンコックはごちゃごちゃやらずに、あれが一番です。

後はイバン・リンス。大好きです。
今回のバンドも最高でした。
生で見たかったなぁ~

投稿者 datchy : 2005年08月23日 16:23

▼maytumさん
どうもこんばんは、お久しぶりです!(^^)

> えっ、ここまで読んできて、楽しみにしていたマーカスのレポートが「つづく」ですか?(涙)

それは申し訳ありませんでした!(^^;
一応先ほどアップいたしましたので、よろしければお読み下さいm(__)m

> この土日、僕は急性ウィルス性胃腸炎で腹痛と下痢でダウン。東京JAZZどころではありませんでした。

あらららら・・・もう大丈夫ですか?
急性のウィルス性ってのは恐いですね。ご自愛下さい。

ではまた!

▼datchyさん
ども、ご無沙汰です。いつもありがとうございます。

> 何と言ってもHeadhunters!!良かったですね~

いや~、ホントに(^^)

> ハンコックはごちゃごちゃやらずに、あれが一番です。

「ごちゃごちゃ」ってなんか笑いました(笑) 気持ちはわかります、ハイ(^^)

> 後はイバン・リンス。大好きです。

私はFMは聞かなかったので、イヴァン・リンスのステージはわかんないんですよね。やっぱりこれも観ておくべきだったかなぁ。まあ時間的にムリでしたけど。

ではまた!(^^)/~~~

投稿者 Kota : 2005年08月25日 00:21

こんにちは。おひさしぶりです。なんかゴーカなステージですね。うらやましい限りです。山中千尋って今まで知らなかったのですが、キレイな人ですね。

投稿者 マサル : 2005年08月27日 01:36

マサルさんどうもお久しぶりです!(^^)

> なんかゴーカなステージですね。

そうですね、なかなか日本も頑張ってるじゃん、ってなメンツでした(笑)

> 山中千尋って今まで知らなかったのですが、キレイな人ですね。

掲載してる写真はかわいいって感じですが、実際はもっと「かわいらしい」感じがしました。って私の感想はどうでもいいですかね(^^;

見た目で割りと騒がれることもあるようですが(^^;、私は音楽自体いいと思いますよ。ニューアルバムは買おうかと思っています。

ではまた(^^)/

投稿者 Kota : 2005年08月27日 16:29