パット・メセニー、マイルス・デイヴィスらのジャズ、スティーリー・ダン、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランらのロックなど、愛する音楽 + "α" を日々の糧にして・・・

« Movable Typeのカスタマイズについて | メイン | ボブ・ディランの「Bob Dylan's American Journey」到着! が!(笑) »

2005年04月11日カテゴリー:音楽

パラシュート:HAERE MAI

先日、Musicmanさんのブログ「Soft & Mellow」で、寺尾聰の「Reflections」が取り上げられていました。

Soft & Mellow:こんなのも聴いてます。

嬉しさと懐かしさとで思わず書き込みをさせていただき、そこからギター話になって「In My Own Write」のTakashiさんとも話が弾み、まさに「ブログで広げよう友達の輪」状態(笑) 非常に楽しい展開でした(^^)

で、「Reflections」ですが、これはもうバカみたいに売れて、街を歩けばどこもかしかも「ルビーの指輪」が流れてるという、まさに一世を風靡したアルバムです。当時私は高校生でしたが、ホントにこれはよく聴いたなぁ〜。マイケル・ジャクソンの「Thriller」とともに、時代を代表するメガヒットでした。

昨年夏にキューバのハバナに行ったとき、私はしょっちゅうこのアルバムの一曲目、「HABANA EXPRESS」のサビ、「♪ハ〜バナ〜の〜かぜ〜に〜、酔〜い〜」を延々と口ずさんでいて(笑)、「あのハバナに今いるんだなぁ」と感慨にふけっていました(^^;

さて、すんげー長い前フリなんですが(^^;、実は今回取り上げるのは「Reflections」ではなく、日本が誇る最強のスタジオ・ミュージシャンの集合体バンド、パラシュートです(笑)

【パラシュート / HAERE MAI】
パラシュート:HAERE MAI「Reflections」は全曲粒ぞろいの名盤で、アルバム全体の完成度が非常に高いのですが、それはアレンジャーの井上鑑を始めとするパラシュートの面々に依るところ大、です。

「ルビーの指輪」にしても、やっぱりあの松原正樹と今剛のツイン・ギターのリフがあってこそ、ですもんね(^^)

「Reflections」はほぼ丸々パラシュートの面々が参加していて、いわば「寺尾聰 with パラシュート」というか、元々パラシュートのファンだった自分としては、パラシュートのフルボーカルアルバムでゲストが寺尾聰、という印象すら持っています(寺尾氏のファンの方、ごめんなさい(^^;)

で、ここでパラシュートについて語り出したらも〜誰もオレを止められない状態必至なので(笑)、サクッと留めておきますが、要するに日本の超一流スタジオミュージシャンが集まって結成したバンドで、その成り立ちから「日本のTOTO」とも言われていました。

両者ともいわゆるウェストコースト・サウンド的な要素はありますが、やっぱりTOTOはベースがハードロックだったのに対し、パラシュートはフュージョン、AOR系であり、音楽性は別物、と私は考えています。

多少メンバーの入れ替えもありますが、今回取り上げた3rdアルバム「HAERE MAI」時のメンバーは、林立夫(Dr)、斉藤ノブ(Per, Vo)、マイク・ダン(B, Vo)、松原正樹(G)、今剛(G)、安藤芳彦(Key)、井上鑑(Key)という面々。

ま〜80年代からサンプラー、HDRが本格導入されるまでの90年代半ばぐらい?まで、日本のヒットアルバムで参加ミュージシャンの欄を見れば、必ず誰かの名が見つかるという、超売れっ子ばかりです。

特に松原正樹のギターは「聴けば一発でわかる」という個性的な音色で、ユーミンだの松田聖子だのを始め、80年代ポップスのギターの音色の代表格、と言ってもいいと思います。

あー、なんかこのブログで最長の「前フリ」のような気がしますが(^^;、そんなわけでこっからようやくパラシュートの「HAERE MAI」のご紹介です(笑)

パラシュートは実質4枚のアルバムをリリースしましたが、私はこの「HAERE MAI」が一番好きですね。曲としては当時のギター少年は誰もがコピーした、「6kinds 6sizes」収録の「HERCULES」も捨てがたいですが、アルバムとしてのトータル・バランスはこちらの方が上ではないか、と感じます。

で、収録曲がこちら。

1.アレサコレサ
2.Lady Racoon
3.NE-ON
4.Switch-Blade Hero
5.The Dealer
6.Cocktail Night
7.そよ風に乗せて
8.If You're Looking for Love
9.GIGOLO
10.JETH NO TARE
11.AMIGO

もうなんつっても1.の「アレサコレサ」っすね! もう最高、これ常識(笑)

このイントロのツイン・ギターのバッキング!
ギタリストの皆さんは全員ここでぶっ飛びましょう、お約束です(笑)

日本の音楽至上に残るツインギター・バッキング・プレーと私は断言したいですね!
このキレの良さ、練られたアレンジ、絶妙のコンビネーション!
「ワンダホー!」の一言です!

私がツインギターのバッキングでまず思い浮かぶのは、ハービー・ハンコックの「VSOP/ニューポートの追想」なんですが、この松原&今のコンビもなかなかどうして、「日本人なめたらあかんぜよ!」ってな出来栄えです(笑)

曲自体も非常にノリのいいインスト・ナンバーで、私はこれを聞くと「夏だ〜!」という気がします(笑) 昨日も陽気が良かったので何回もこのアルバムをリピートさせてましたが、気持ちと脳内は夏にトリップしていました(笑)

2.の「Lady Racoon」は3連ノリのボーカル・ナンバー。確か歌詞は「かちかち山」になぞらえていた、という記憶があります。英詞で訳詞が手元にないので確認できないのですが(^^;

ちょっと「ひそひそ話」をしてるような雰囲気と、サビの3連ノリが気持ちよくてかなり好きな曲です。よく適当英語でCDに合わせて歌ってます(笑)

3.の「NE-ON」は幻想的なギター・インスト・ナンバー。今でもよくライブでやってますね。大らかで伸びやかなロング・トーン&チョーキングと、バックの粒立ちのいいクリーン・トーンのアルペジオのコンビネーションが、これまたツイン・ギター・アレンジのお手本のような曲です。テクニカルな演奏ではないですが、この雰囲気を出すのはかなりムズいです(経験者かつ挫折者の言(笑))

4.は「Switch-Blade Hero」。いわゆるAORボーカルナンバーの典型の一つと言えるかな? 爽やか系ではなくクール系の方ですね。これまた間奏のツイン・ギター・リードのハモリ(正確にはたぶんリード・シンセも絡んでる)が素晴らしい。文字通り「息の合った者同士」でなければできない演奏でしょう。

5.の「The Dealer」はライブでもラストあたりに演奏される、大盛り上がり、ノリノリ・イケイケの8ビートナンバー。単純に楽しくて好きな曲です。オブリガードのスライドギターもGood!

6.の「Cocktail Night」は歌詞にカクテルの名前を散りばめて、言葉遊びをしているちょいコミカルなお遊び的ナンバー。こういう「遊び」ができるところが、パラシュートの音楽的な器の大きさを示している気がします。

7.の「そよ風に乗せて」は、ヴァイブ(をシミュレートしたFMシンセかな?)の音色が軽やかで涼しげなインスト曲。まさにそよ風のような爽やかな小品です。

そして8.の「If You Looking for Love」。ま〜、いわゆるAORの王道的バラードナンバーです。この時代にこういうサウンドを日本人がちゃんと作っていた、という意味でも価値があるように思います。ヴォーカルはマイク・ダンですが、これがクリアーなハイトーンで歌われたら、エア・サプライやシカゴの曲と間違えられるかも?(笑)

でもって9.の「GIGOLO」。
タイトルからしてなんかありそうですが(笑)、要するに男が女を口説くまでの話を、河内弁? で歌ってます(笑)

Hey, There, You! いつもとちゃうで、今夜のお前!

ウェストコーストサウンドが出せるバンドが「ちゃうで!」ですから、こりゃまた思いっきりズッコケます(笑)

しかし演奏はいたって真面目(笑)
ビートの重いロック・ナンバーで、この演奏と歌詞とのズレが、やっぱり彼らの「遊び心」なのでしょう。試しに一回ライブで聴いてみたいです(笑)

続く10.の「JETH NO TARE」は、いわばインタールード的な曲でしょうか。軽やかなフルートが印象的で、前作「6kinds 6sizes」の「子象の行進」を思い出させる小品です。

そしていよいよラストナンバー、11.の「AMIGO」。

ぶっちゃけどうってことない曲なんですが(笑)、大好きなんですよ、これ。

一曲目の「アレサコレサ」と、この「AMIGO」が大好きなので、このアルバムかけると無限リピートになっちゃうんです、私の場合(笑)

まあ男女のちょっとしたすれ違いを歌ったボーカル曲で、特に歌詞やメロディーが素晴らしい訳でもなく、際立った演奏があるわけでもないと思うんですが、うーん、これはやっぱり「隙のないアレンジ」が魅力的なのかなぁ?

自分でもこの曲がなぜ好きなのかよくわからないのですが(^^;、最後にボコーダーで歌われる

She Said Me Adios and I Say, Amigo

のフレーズがなぜか印象的で、よく脳内リピートしています(笑)

というわけでパラシュートの「HAERE MAI」、思わず全曲書いてしまいました(^^;

高校生の頃は私は思いっきりフュージョン少年で、いわゆるジャパニーズ・フュージョンは結構聴いていたんですが、今は全くと言っていいほど聴きません。

でも唯一の例外がパラシュートで、特にこの「HAERE MAI」を一番良く聴いています。夏にドライブ行く時は必ず車内に入れておく一枚でもあります(笑)

パラシュートはすでに解散してかなりの年月が経ちますが、ここ数年、ギターの松原正樹氏を中心に一時的な復活ライブなどが行われています。この勢いで、ぜひともまた再結成してニューアルバムでもガツンとリリースして欲しい、と切に願っています。そう思ってる人もきっと少なくないはずです。

そんな望みを抱きつつ、今年の夏も車内にはこいつを入れて出かけようと思ってます(^^)

投稿者 Kota : 2005年04月11日 13:18
人気blogランキング111クリックして下さるとウレシイです(^^ゞ
←できたらこちらもクリックよろしくですm(__)m

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://redsky.under.jp/cgi2/mt/mt-tb.cgi/181

コメント

どうも~!!!
私のブログの宣伝までしていただきましてありがとうございました♪
私も「寺尾聡」のバックが「パラシュート」じゃなかったら買ってなかったかもしれないほどの「パラファン(パラシュート・ファン)」なんです。
このアルバムはリリース時に当然レコードで買って、少し前にCD化された時も買い直しました。
アルバムの中では私も同じく「アレサコレサ」と「NE-ON」、そして「そよ風に乗せて」が大好きです。
特に「そよ風に乗せて」は「井上鑑」氏の書いた曲だったせいかイチバンのお気に入りでした。
当時は「パラシュート」のメンバーが参加していたアルバムを買い集めてましたねー。「ユーミン」から「泰葉(覚えてます?)」まで。
日本のTOTOという比喩がピッタリなグループでしたね。
去年「クロスオーバー・ジャパン」で再結成して出演しましたが、誰かご覧になった方、どんなだったか教えて欲しいですね!
すみません、長々と書いてしまいました。
「パラシュート」と聴くと・・・つい・・・。

投稿者 Musicman : 2005年04月11日 14:26

Musicmanさん早速のコメントどうもです!

> 私も「寺尾聡」のバックが「パラシュート」じゃなかったら買ってなかったかもしれないほどの「パラファン(パラシュート・ファン)」なんです。

おおお、そうでしたか!

> このアルバムはリリース時に当然レコードで買って、少し前にCD化された時も買い直しました。

私もです(^^)

> 「ユーミン」から「泰葉(覚えてます?)」まで。

あ〜! 高校の頃女性ボーカルのバンドやってたからコピーしましたよ、「Friday China Town!」(笑)

> 去年「クロスオーバー・ジャパン」で再結成して出演しましたが、誰かご覧になった方、どんなだったか教えて欲しいですね!

これ確かWOWOWかCATVでやったんじゃないでしょうか?
私は加入してないので見てませんが(^^;

ただ最近の松原さんのライブやDVDで「再結成もどき」は味わえますよ(^^)
「もどき」というのは井上氏が参加してないからですが(^^;

私は松原さんの「Humarhythm Live」という2枚組を持ってますが、もう実質パラシュートのライブで非常に楽しめます(^^)(やはり井上氏はいないんですが)

あとエントリーに書き忘れましたが(^^;、こちらのサイトがパラシュートについては詳しいです。

PARACHUTE Web site.
http://homepage.mac.com/kgbox/parachute.html

ではまた!

投稿者 Kota : 2005年04月11日 16:20

TBありがとうございました。
偉大なバンドなんですね>パラシュート
聴きたくなりました。早速チェックに行ってきます。
ぼくもギターやってたんで、これ聴いてぶっとびたいです(笑)

投稿者 Takashi : 2005年04月12日 07:58

Takashiさんコメントどうもです!

> 偉大なバンドなんですね>パラシュート

少なくとも私はそう思っております(^^ゞ

> ぼくもギターやってたんで、これ聴いてぶっとびたいです(笑)

まあ派手さはないし、とんでもなくテクニカルなことはやってないんですが、「音楽的な底力」とでも言いましょうか、何気ないところでさりげなく「匠の技」が見え隠れする、そんな感じですかね(笑)

それでもぶっ飛んでいただけたらそれに越したことはないですが(笑)

ではまた!

投稿者 Kota : 2005年04月12日 12:55

こんばんわ!初めまして。
私は、ブレッド&バターのファンで、いつもは彼らのアルバムを聴いていますが、その中で「えっ!このギターは誰???」と気になって仕方ない事が多くて、ミュージシャン名を見てみると、松原正樹&今剛でした。それで、今日彼らのアルバムThe Guitar Brosを手に入れました。それで、初めて気が付きました。彼らはパラシュートのメンバーだったのですね。パラシュートのファンの方々から大笑いされそうなバカです。パラシュートと言えば井上鑑さんが私の友達と結婚されて、自宅のミュージシャンばかりのパーティーに招待された事があります。あの中にお二人もいらしたかと思うと、惜しいことしたと今頃になって後悔しました。

投稿者 buruko : 2005年11月25日 19:17

先日は、興奮していて、つまらないコメントをしました。
どうやったら削除できるかがわかりません。削除してくださいね。

投稿者 buruko : 2005年11月27日 08:18

すいません、大変恐縮ですが、パラシュートと門松敏生の関係そして門松と井上鑑との関係(例えば同時期に活動したのかどうか)を教えてください。

投稿者 工藤俊作 : 2006年01月23日 15:02