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2005年03月22日カテゴリー:音楽

シャーデー:Lovers Rock

今日は小雨まじりの曇り空ですが、昨日の東京は本当にいい陽気でしたよね。まさに小春日和。やらなきゃならないことがあって部屋の中に閉じこもっていましたが、それでも窓の外から差し込む日差しで一日中ポカポカしたいました。

そんな陽気に誘われたのか、ふと、久しぶりにこのアルバムを取り出してみました。

【Sade / Lovers Rock】
Sade / Lovers Rock
80年代に一世を風靡したシャーデーが突如沈黙して失踪(恋人を追いかけてアフリカだかどこかの国に行ってしまった、と聞きましたが)、そして2000年に再び「突如として」リリースされたのがこの「Lovers Rock」です。

久しぶりに聴いてみたら昨日の気分にピッタリで、一日中これをリピートさせていました。

でもこのアルバム、発売当時はあまり好きではなかったんです。

実に久しぶりのリリースでしたから、かなり期待して発売当日に購入したんですが、なんかこう、丸くなってしまっていて、毒気がなくなっていたように感じたんです。

シャーデーの音楽はスマートで、クールで、ありきたりの言い方をすればオシャレでカッコイイですよね。でも、それだけではくくれない固い芯の部分があったと思うんです。

それはまるで彼女のスラッとした長身・細身の身体に隠された、決して折れることのない強靱な背骨のようであり、軽く聞き流すことを許さず、聴く者の内面に引っかかるトゲのようなものだと感じていました。

たとえば圧倒的な歌唱力を見せつける「Pearls」。ソマリアで飢えて死んでいく女性の運命を我が身に照らして、「新しい靴を履いた時のような痛み」と受け取める感受性は、自分にはとても衝撃的でした。

そんな、甘いラブソングや悲しい別れの歌のオブラートの奥に潜む彼女の「核」、容易に飲み込むことのできない固い芯の部分が、このアルバムにはどうも感じられなかったんです。

サウンド的にもこれまでの路線を踏襲したもので、2000年の当時としてはすでに使い古された音楽でした。キツイ言い方をすれば、彼女は自身の音楽をコピーしているんじゃないか、そんな気もしていました。

でも、それがいつの頃からか、「あ、これでいいんだ」と思うようになっていったんです。理由はわかりません。もしかしたら自分こそが丸くなり、トゲを失っていったのかもしれません。

いつの間にか何度も繰り返し聴くようになり、いつの間にか安らぎを感じるようになっていました。偉そうになんだかんだ批評まがいの言葉を浮かべて斜に構えていた自分が、ちょっと滑稽に思えたりもしました。歳ですかね(笑)

今ではこのアルバムが大好きです。一曲目の「By Your Side」のイントロの笛系のシンセが流れてきた瞬間に、スーッと心が広がって、ほぐれていきます。久しぶりに聴いたせいもあり、昨日はゆったりとした時間を過ごすことができました。

ちなみにこの時のツアーのライブを収録したDVD、「Lovers Live」も最高に素晴らしいです。確かマス男さんも大のお気に入りでしたよね?(と振ってみる(笑))

それにしてもこのアルバムが出て早5年。またシャーデーは沈黙の向こう側に身を潜めてしまったようです。彼女の動向は知りませんが、いつになってもいいからまた戻ってきて欲しいです。もし次の作品がまた同じような80年代サウンドのままだったとしても、たぶん今度は最初から好きになれるんじゃないか、そんな気がしています。

投稿者 Kota : 2005年03月22日 12:27
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トラックバック時刻: 2005年11月13日 01:13

コメント

えー、振っていただいてありがとうございます。

しかし、人が言ったことをよく覚えてますね〜、ビックリします。

たしかにあのライヴDVDは大好きです。と、今、久々に取り出してプレイしながら書いております……チャイナドレス着て、シルエットで現れるオープニングからもう最高。マイクスタンドに腰をクネクネと……って、なんかタダのオヤジ的趣味で言ってるように思われても困りますが、でも、なんつーか、彼女の佇まいのカッコ良さ、クールさ、色っぽさはなかなか他では味わえぬものですよね。その前のオレンジ色のジャケットのライヴ・ビデオもとっても良かった。

で、その実、ワタシはアルバムの方は、多分、ファースト(リマスター盤買いました)とセカンドくらいしかちゃんと聴いてないかも。ますます、ルックス重視のオヤジ・ファンぶりが露呈してしまいますが……。

曲は大好きな"Your Love Is King”に変わりまして、背景の幕も開き、照明もドラマチックにオレンジに変わり……って中継してどうする(笑)。いや、コレ、ホントに凄くいい。メンバーの風貌もヘンだし。たしか輸入盤(リージョン・フリー)で2000円くらいだったような……オススメです。

オマケに入ってるクリップでは、母親ぶり全開の内容になってて、それがまたカッコいいんですが。

シャーデーって、ジャマイカかどっかでスピード違反で捕まって「アタシはシャーデーよ」と凄んだというニュースをちょっと前に聞いたような。

投稿者 マス男 : 2005年03月22日 15:18

マス男さんこんばんは!

またまた呼び出してしまってすいません(^^;

> しかし、人が言ったことをよく覚えてますね〜、ビックリします。

いえ、ちょうど自分が買った時にマス男さんがべた褒めしていたのと、正直マス男さんとシャーデーって結びつかなかったので意外で印象に残ったんです(^^;

> なんかタダのオヤジ的趣味で言ってるように思われても困りますが、

ノ、ノーコメント(笑)

> って中継してどうする(笑)

いや、マジで2時間これやられたらどうしようかと思っちゃいました(笑)

> たしか輸入盤(リージョン・フリー)で2000円くらいだったような……オススメです。

リージョン・フリー版、Amazonで1644円で買えますね!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005YUNM/undertheredsk-22/ref=nosim

なんか自分日本盤を4500円ぐらいで買った記憶があるんですが(-_-;)

ま、とにかくこのライブもホントに素晴らしいですよね!
言うことナシです!

> シャーデーって、ジャマイカかどっかでスピード違反で捕まって「アタシはシャーデーよ」と凄んだ

・・・ダメダメっすね、そりゃ(笑)

投稿者 Kota : 2005年03月23日 01:38