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2005年05月23日カテゴリー:ジャズ
チャーリー・ヘイデン:ノクターン
夜の7時半ごろだったでしょうか。いきなり雨が降り始めました。
私は最寄り駅まで自転車を使っているのですが(歩いていける距離に最寄り駅がない(^^;)、ちょうど外に出て自転車を走らせた途端に雨にやられてしまいました。
家に到着した時は全身ずぶ濡れ。すぐに服を脱いで風呂に入りましたが、カバンもしっかり濡れていて中の書類やら本やらも水気を含んでぐんにゃり。
「落ち込む」というほどではないんですが、どうも気分が冴えません。雨だけが原因ではないし、こういうことは滅多にないんですが、どうも今は何をするのも気が乗らない状態です。
ここにまだ今日分の記事も書いてないし、ネタ探しも兼ねて何かかけるか、とふと手に取ったのがこのチャーリー・ヘイデンの「ノクターン」でした。
【Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba / Nocturne】
クレジットは一応チャーリーの単独名義になっていますが、実質はゴンサロ・ルバルカバとの共演アルバムと言っていいでしょう。
ルバルカバのピアノと、ゲストのジョー・ロバーノ(ts)、デビッド・サンチェス(ts)、そしてパット・メセニーのギターやフェデリコ・ブリト・ルイスのヴァイオリンなどをメインに据えて、チャーリーはバックに徹しています。
ルバルカバの起用からもわかるとおり、これはキューバのバラード集です。正確にはキューバのスタンダードが4曲、メキシコのスタンダードが4曲、そしてチャーリーのオリジナルが2曲です。
実はこのアルバム、買った当初はあまり好きではなかったんです。
買った動機、お目当てはやはりパット・メセニーで、パットは2曲目の「Night of Wandering」という1曲にのみ参加し、美しいガット・ギターのメロディーとソロを演奏しています。
しかし、最初にアルバムを通して聴いた時の印象は、「ちょっと甘すぎる」でした。
同じチャーリー・ヘイデンのバラード系アルバムでも、ブレッカーと組んだ「American Dreams」は、叙情に溺れきらない「芯」のようなものが感じられて大好きなのですが、これはとめどなく「甘い」という気がして、通して聴くとちょっとお腹一杯、という感覚がありました。
でも、いつの頃からか、このアルバムがかなり好きになっていったんですよね。
きっかけはやはりキューバ行きの前後に、「ブエナ・ビスタ」を始めキューバの音楽に少し触れてみたことと、実際にあの国の空気を知ったことで、自分の中の何かが変わったためでしょうか。それぐらいしか理由は思いつかないのですが。
キューバの夜は暑く、湿気も高く、そして闇の密度が濃い。特にこんな雨上がりの湿度が上がった夜は、キューバの夜のあの感触を、肌が思い出す気がします。
そんな時に聴きたくなるのがこの「ノクターン」なんです。気持ちというより、身体が欲するのかもしれません。キューバの曲を演奏しているから、というだけでなく、あそこの夜に漂っている何かを、このアルバムはやはりちゃんと持っている。今はそう感じます。
そして「甘い」と感じていたメロディー、曲調も、キューバの闇の濃さと釣り合うには、これぐらいがちょうどいいのかも、と今は思っています。
あ、今もこのアルバムをかけながらこの文章を書いているんですが、ちょうど8曲目の「The Blind」が始まりました。キューバのスタンダード・ナンバーだそうですが、この曲、大好きです。
典型的な甘く切ないマイナー・メロディーを、ルイスのヴァイオリンが「これでもか」といわんばかりの情感を込めて歌い上げています。
「Beyond The Missouri Sky」にも収録されているチャーリーの名曲、「Our Spanish Love Song」にも通じるものがあります。ストレートに、切ない曲です。以前は「ここまでやらなくても」と思っていたんですけどね。人間、わからないものです(^^;
体が疲れた時に甘いものを欲しがるように、精神が疲れている時は甘いメロディーを求めるのでしょうか。我ながら下手な比喩だと思いますが(笑)、今の気分にはこのアルバムが本当に心地よく響きます。
そして私は音楽を聴くことの他に、文章を書くことでも気力を得ることができます。ここまで書いてきて、少し気持ちが上向いてきたのが自分でもわかります。気が付くとようやく顔文字や「(笑)」を使い始めてました(笑)
さ、8曲目の「The Blind」の次は、これまた屈指のメロディーを持つチャーリー・ヘイデンのオリジナル・ナンバー「Nightfall」です。ちょうど文章も終わるところですし、このままこの曲を最後までゆっくり聴くことにします。
投稿者 Kota : 2005年05月23日 22:55
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コメント
> 「落ち込む」というほどではないんですが、どうも気分が冴えません。雨だけが原因ではないし、こういうことは滅多にないんですが、どうも今は何をするのも気が乗らない状態です。
そういうことありますよね。でも、
> そして私は音楽を聴くことの他に、文章を書くことでも気力を得ることができます。ここまで書いてきて、少し気持ちが上向いてきたのが自分でもわかります。気が付くとようやく顔文字や「(笑)」を使い始めてました(笑)
うまく解消されましたね。(・∀・)
文章を書いているとだんだんと頭の中が整理されるっていうことありますよね。
投稿者 マサル : 2005年05月24日 03:55
あ、カンケーないことですが、杏里とリー・リトナーが結婚したそうですね。ご存知でしたか?この話題、よそのブログでけっこう盛り上がってましたよ。
投稿者 マサル : 2005年05月24日 03:58
なんつうか、、、常にやる気満々て、のも。。。
周りが大変です。
私みたいに始終落ち込んでるのも、困るけど。。。
7月の渡航準備にでも、入れば、めちゃ、元気になるんじゃない?
と、、なぐさめにもならんで、すまんです。
アメリカンドリーム、私はすごく好きなんですが、、、
ブレッカーファンには、不評だったきがしまーす。
私?ブレッカー大好きです。はい。
久しぶりに、ブレッカーのトラヴェルズ聴こうかな。
ヘイデンって、デュオ沢山だしてますでしょ?
好きなアルバム何枚かあって、お気に入りのベーシストなんですよぉ。
このアルバムも前からしってて、リストにはいってます。
欲しいけど、急がず中古狙いでーーす。(T_T)
あ、アメリカンドリームにビタースィートって、素敵な曲があるでしょ?
セベスキーって、なってますけどねぇ。。。。(^_^)/~~
と、意味深な微笑みでたちさる。
追伸 TVジャズセブン、って、どっかでみつけたら、持ち帰ってみてください。
おもしれぇ〜、って思えるとおもうんだけど。一粒で二度美味しいです。はい。
投稿者 Suzuck : 2005年05月24日 09:08
☆マサルさん
こんにちは、いつもどうもです。
> 杏里とリー・リトナーが結婚したそうですね。ご存知でしたか?この話題、よそのブログでけっこう盛り上がってましたよ。
情報どうもです。
すでに知ってましたが、個人的には正直言って全くどうでもいいので、ネタにしようがないって感じです(^^;
☆Suzuckさん
まいどです!
> なんつうか、、、常にやる気満々て、のも。。。
> 周りが大変です。
あ、確かに周りがやってらんないッスね(笑)
> 私みたいに始終落ち込んでるのも、困るけど。。。
え、そうなんですか?
って実際にお会いしたことないんですけどね(^^;
> 7月の渡航準備にでも、入れば、めちゃ、元気になるんじゃない?
・・・ニヤニヤ(笑)
> アメリカンドリーム、私はすごく好きなんですが、、、
> ブレッカーファンには、不評だったきがしまーす。
あ、そうなんですか。
でもあのアルバムは私は大好きなので、誰がなんと言おうと全く気にならないですが(^^ゞ
> 久しぶりに、ブレッカーのトラヴェルズ聴こうかな。
あれいいッスよねぇ(^^)
> 欲しいけど、急がず中古狙いでーーす。(T_T)
新譜は聴きました? またルバルカバとやってグラミー取ったヤツ。あれも早く買わないとなぁ〜。
> と、意味深な微笑みでたちさる。
ええ? わかんねーッスよ!(笑)
> TVジャズセブン、って、どっかでみつけたら、持ち帰ってみてください。
確かあれシリーズ物でしょ? 一番最初の「TVジャズ」は持ってるんすよ。うーん、自分は正直まあまだだったんですよねぇ(^^; それでちょっと「セブン」が気になったんですが。
ではまた!
投稿者 Kota : 2005年05月24日 15:43
かなーり、お久しぶりです。
「ノクターン」いいですね。
僕は最近ヘイデンとエグベルト・ジスモンチのモントリオール盤にハマっています。
好きなんですよね、コレ。
投稿者 ガラ玉 : 2005年05月24日 20:33
ガラ玉さんどうもお久しぶりです!(^^)
> 僕は最近ヘイデンとエグベルト・ジスモンチのモントリオール盤にハマっています。
>
> 好きなんですよね、コレ。
あ~、私もこれ大っ好きですよ!
いいッスよね~(^^)
実は最初ジスモンチがピアノも弾くということを知らなくて、「ん、ギターとベース以外にメンバーがいるのか?」とライナーを見て驚いた、という恥ずかしい過去があります(^^;
あ~、このアルバム、いつか取り上げよう!
ネタ発見にご協力、どうもありがとうございました(笑)
ではまた!
投稿者 Kota : 2005年05月24日 22:52