パット・メセニー、マイルス・デイヴィスらのジャズ、スティーリー・ダン、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランらのロックなど、愛する音楽 ＋ "α" を日々の糧にして・・・

時は1991年の12月、ところはニューヨークはマンハッタンのLone Star。

ドナルド・フェイゲンは単独で、ここで数日間ライブを行っていた。
客の中にはジュリアン・レノンやU2のプロデューサー等々、多くの音楽関係の著名人がいた。

やはり客席にいたジョー・ジャクソンは、ウェイターが自分のことを知らなかったのでちょっとご立腹の様子だ。

そして観客の中には、パット・メセニーの姿もあった。

メセニーは僕ら（「Metal Leg」の編集者）の隣の席にいた。バンドメンバーの Drew Zingg (ギタリスト Jimmy Vivino の代役）のギターを聞き、「彼はこの数年見てきた中で最高のギタリストだね」そして「ドナルドのライブはすごい！」

メセニーは自分が演奏に参加できるかどうかを調べ、翌週再びやってきた。そしてフェイゲンとVivinoの「Chain Lightning」を聞いて気持ちを固めたらしい。自分のギターを持ってきてなかったので演奏したくはなかったようだけど、フェイゲンが曲のコードをササッと書いてメセニーに渡し、メセニーは「Chain Lightning」を演奏した。

メセニーは楽しんでいる様子だったし、僕たちもメセニーがもう一度、もっと長く演奏してくれれば、と思っていた。

でもメセニーはちょうどその頃、ニューヨークの Power Stationスタジオに1日14時間もこもってソロ・アルバムの制作をしていた（Secret Storyのことでしょうね）。だからフェイゲン・バンドとリハーサルする時間を取ることすら大変なのはわかっていた。

でも、結局は万事うまく行った。1991年12月2日、このライブ「NY Nights show」は、スティーリー・ダン再結成に匹敵するほどの深い印象を与えてくれることになった。メセニーはこの日の早いうちからリハーサルに現れた。もちろん自分のギターを持って。

「何を演奏する？」　数ヶ月前にVivinoはフェイゲンに「The Royal Scam」の「Sign in Stranger」を提案したが、フェイゲンは「ちょっと冒険だな」と語った。

メセニーは思ったよりも早くステージに現れた。たぶんバンドがこの曲を午後の早い時間に一回しかリハーサルしなかったからだろう。
ショーの直前まで、彼らはこの曲のエンディングをどうするかを相談していた。

曲を始める前になって、ホーンセクションがステージを去り、後にはメセニー、Vivino、ベースのTom Barney、そしてドラマーとバックコーラスだけが残った。フェイゲンがピアノでこの曲のイントロを始めたとたん、観客は一気に燃え上がった。Vivinoがまずオープニングのギター・パートを演奏し、メセニーはその間ウォーミング・アップのためにバックに回っていた。

曲の中程で、Vivinoはメセニーにソロを回した。メセニーの演奏は信じられないほど素晴らしかった。このすごさを言葉で表すことなんて到底できない。まるで別世界にいるようだったから。

メセニー独自の演奏スタイルとギターの音色が、スティーリー・ダン・サウンドと混ざり合っていく。それは神秘的で、かつエキゾチックなコンビネーションだった。様々なサウンドを開拓してきたバンドにとっても、この夜の演奏は今まで経験したことのない、全く新しい第一歩だった。

フェイゲン、ベッカーの再結成の時、Vivinoは「Josie」のエンディングでベッカーにギターソロを回した。この夜も同じようにVivinoはメセニーにソロを回した。これも素晴らしかった。

この「NY Night」が終わった後で、みんなが「今日のライブが今までの人生で最高のライブだった！」と口々に言っていた。僕らもこの意見に同意しないわけにはいかないだろう。

ってなところでしょうか？
結構省いたり想像で補ったりと翻訳上ヤバイことやってますが（笑）
ま、とりあえず雰囲気は伝わるんじゃないか、と思うんですが。
基本的にはリンク先の原文に自ら当たるようにしてください(^^;

いやー、しかし普通じゃ絶対ありえねーライブですよね〜。
こういうのが起こりうるからNYってのは恐ろしい、というか住んでみたい（笑）
でももし自分がNYに住んでたら毎日ライブ通いで破産しそうな気がしますが（笑）

ご参考までに、極秘ルートで入手した（笑）この日のセットリストも紹介しておきます。

1. Sign In Stranger
2. Deacon Blues
3. I've Got The News
4. Green Earrings
5. Black Friday
6. Josie
7. F.M.

確かメセニーは全曲参加ではなかったはずです。

ちなみに「このブートどうやったら手に入るの？」系のご質問にはお答えできませんので悪しからず(^^;

さて、今日は帰りに「The Way Up」日本盤、ゲットしてきますよ〜！