パット・メセニー、マイルス・デイヴィスらのジャズ、スティーリー・ダン、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランらのロックなど、愛する音楽 ＋ "α" を日々の糧にして・・・

私はいま横浜駅から東横線で二駅目の東白楽の職場に通っています。
ここに来て今年で四年目かな？

職場の近くには横浜家系ラーメンとして有名な六角屋があります。
もー、大好きなんですよ、六角屋(^^;
最低週に一回は食べに行ってます。

行ったことのある方はご存知だと思いますが、家系ラーメンは麺の固さ、油の量、スープの濃さを三段階で注文することができます。

それぞれ固めー普通ー柔らかめ、多めー普通ー少なめ、濃いー普通ー薄味、です。

それからラーメンが大、中、小の3サイズに、チャーシュー、味付け玉子、のり、ライス、キャベチャー（キャベツのざく切りと細切れチャーシューのごま油いため）というトッピングが加わり、これらの順列組み合わせで一人一人のオーダーが決定します。

これまた知ってる方は知ってる話ですが、家系は原則これらのオーダーを口頭で、一種の符丁にしていっぺんに店員が厨房に読み上げます。

「テーブル右角から、味濃め固め、チャーシュー、中チャ柔らか目、小が二つで一つ油少な目、薄味ノリ多めネギ抜き大、中玉ライス大盛り！」ってな具合。何言ってるかわかりますでしょうか？（笑）

さすがに毎週通っているとこの符丁にも馴染んできて、私も今や左右両隣の人向こう3人ぐらいまでは何を頼んだかわかるようになっております（笑）

で、おとといの月曜日も例のごとくお昼は六角屋に出勤し（笑）、例のごとく列に並んでいつもの「小玉油少な目」をオーダーしたのですが、私の後ろに並んでいたジイさん、小柄でちょっとくたびれた青いジャンパーを着て、昼から酒を引っかけたのかほんのり頬が赤らんでいる、ちょっと小粒のカワイイ目をした（笑）70前後のジイさんが、

「麺固め。チョ〜固めね！　ちっとでも柔らかかったら姉さんわりぃーけどオレ食わねーから！」と、強硬姿勢もあらわにオーダーされました（笑）

ちなみに「チョ〜」の部分は譜面で書けば一小節丸々全音符分ぐらい延ばして音程はオクターブ上、って感じ（笑）

おー、ジイさん、わけはわからんが「チョ〜固め」によほどのこだわりがあるんだな。
ちっとでも柔らかかったら食わねーってか！
でも歳とった体には柔らかめの方がいいんでない？
ってか「全然柔らかくない麺」ってもはやラーメンでねーんでねーの？（笑）

などと要らぬお世話を心の中でつぶやきつつ、こんな対決姿勢鮮明なオーダーをどうさばくのか、と店員さんの方を見ていると、店員さんは表情一つ変えず、カウンターの向こうの親方にこう告げたのです。

「おあと7番さん麺バリ！」

バリ！　バリっすよバリ！

六角屋通いを始めて4年目にして初めて耳にしたワード、バリ！

もちろんすぐにわかりました。「バリ」とは「麺チョ〜固め」の符丁であると。
ん〜、確かにそのまんまの擬態語！　噛めば音を立てるほどのバリバリなんすよ、チョ〜固めは（笑）

いや〜、偶然このジイさんの前に並んだおかげで、4年間一度も触れることのなかった単語を知ることができました。これで私の六角屋フリーク度もワンランクアップ！（笑）

しっかし「バリ」は出てくるのも早かった！
これまた有名ですが、家系はオーダー順には品が出てきません。
麺が茹で上がった順です。ですので先に頼んだ「麺柔らかめ」よりも後のオーダーの「固め」の方が先に出てきます。

それを知らない家系ビギナーが「おい、こっちのがオーダー先だぞ！」と異議を唱えたシーンを私は4年のうち2回目撃しております（笑）

で、ジイさんの「バリ」。さすが「バリ」だけあって5〜6人一気にごぼう抜きです。
オーダー聞いてから出てくるまでたぶん30秒前後？　絶対1分はかかってなかったはず。

でもってまたジイさん食うのも早かった！
ま、無言のうちに一気に食い終わりましたから、「バリ」加減はOK！だったんでしょう（笑）
食い終わって気分がほころんだのか、ジイさん小粒の目をキラキラさせながら店員のお姉さんと雑談を交わし始めました。

「いや〜、今日ここのラーメン食おうと思ってさぁ、朝9時に池袋出たのよ。そしたら道迷っちゃってさぁ、もう1時過ぎだもんなぁ、腹減っちゃったし参っちゃったよ〜」

・・・いくら池袋から横浜で途中電車間違えたとしても、4時間はかからんだろう。

・・・もしやジイさん、池袋から徒歩かい？（笑）

ま、ちょっと意味不明な発言ではあったけど、オレに「バリ」を教えてくれたジイさん、オレはあんたのこたぁ忘れないぜ！

ps. やっぱこんなんで音楽部門50位以内、ってのはすっげー悪いことしてるような気がしてきた（笑）