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2005年01月29日カテゴリー:ジャズ
ナベサダで 傷を癒そう 賭けに負け・・・
今、ナベサダの「Wheel of Life」を聴いております。
悲しいときやちょっと落ち込んでしまったとき、プレイヤーにセットする「マイ癒し系アルバム」の一枚です。
はい、いま私は落ち込んでおります。
昨日Amazonから発送通知のあったパット・メセニー・グループ「The Way Up」、午後3時を過ぎても届きませんでした。
今日は店頭発売日。焦って賭けに出てAmazonに申し込んだんですが、結局店頭の方が早くなってしまった・・・
段平のおっちゃん、オレはもう立てねぇよ(笑)
ま、それはそれ。早く聴いたからってアルバムの価値が変わるわけじゃなし、早く聴いた方がエライってわけでもないし! ・・・ってこれは言い訳か?(笑)
とにかく、明日は届くことを信じつつ、とりあえず今日はこの「Wheel of Life」で気持ちを切り替えてガンバリたいと思います!
で、このアルバムですが、私かなり好きなんですよ。
ナベサダさんは結構好きなミュージシャンですが、もう50枚以上のアルバムをリリースされているので、さすがに全部をフォローはできていません。
個人的にも当たり外れが割とありますが、このアルバムはかなり「当たり」の部類に入ります。
プロデュースがナベサダ本人とリチャード・ボナ、ゲストギタリストがマイク・スターン。
こうなると誰のアルバム何だかわかりにくくなってきますが(笑)、従来のナベサダ・カラーだけでなく、ボナのカラーもよく出ているけれどもそこに染められすぎてもいない。
参加ミュージシャンのそれぞれのカラーがほどよくブレンドしながら、「Wheel of Life」という名の空間がそこにある、という印象を持っています。
聴いてすぐに「おっ、スターンだ!」とわかるギターで始まる、軽快なオープニング・ナンバー「One For You」、アフリカ的なリズムを取り入れつつ、いわゆる「明るく陽気なナベサダ」の魅力に溢れる「Tembea」
都会の夜の、ちょっと怪しげで蠱惑的なムードを醸し出す「Basie's at Night」(ここでのスターンのクールなプレイもいいッスね)、ボナのフレットレス・ベースのイントロに続く、アルトの泣きのメロディーが美しい「Requiem For Love」。失ったものに対する哀しみを切々と歌い上げ、心にジワッと沁みてくる美しいラブソングです。私は大好きです。
そして気分一新、ノリがよく、心に心地よい草原の風が吹いてくるような「Wind & Trees」。サビのボナのヴォイスも楽しげで、思わず口ずさみたくなります。ここのアコギソロはいつかコピーしたいです。
次の「Koulamanite」はボナがメイン・ボーカルを取り、曲調もアフリカンな印象。やはりというか、どこかサリフ・ケイタやザビヌル・シンジケートを感じさせます。
「Waiting Song」はかつての名曲「Road Song」を思い起こさせるスムース&クールなナンバー。ナベサダのこの手の曲が個人的にはかなり好みです。
ボナのヴォイスとナベサダのソプラノ・サックスの絡みが心地よい「Isabelle」、クールなアルトのメロディと、アコースティック・ピアノのソロが冴えまくってる「Jindungo」
そして、アコギのメランコリックな演奏と、優しく流れるフルートが絶妙な美しさをかもし出すタイトル・チューン「Wheel of Life」と、ラストを飾る「Spring - All Beautiful Life」。
この2曲はアコギとフルートのデュオによる演奏です。ちょっと珍しい組み合わせですが、全く違和感がなく、こんなにも美しい世界が作り出せるなんて、と驚かされます。
日本を離れることの多いナベサダと、ブラジルのボッサ系ギタリスト、ホメロ・ルバンボがニューヨークで録音した曲ですが、どこか日本的な印象で、私は「幽玄な響き」という言葉とともに、なぜか花びらが散っていく満開の桜並木を思い浮かべてしまいます。
そしてこの2曲のしみじみとした余韻に浸りながら、ついまた再生ボタンを押してしまい、延々とループを繰り返してしまいます(笑)。一度聴いたらなかなか抜けられなくなってしまう魅力をもったアルバムです。
で、結局いま二巡目を聴きながらこれを書いています(^^ゞ
いやー、すっかり元気元気!(笑)
悲しいときや落ち込んだとき、敢えてもっと暗く悲しい気分に追い打ちをかけるとか(オレらの世代だと中島みゆきの「生きていてもいいですか」とかね(笑))、逆に「へこんでなんかいられねーぞ、ごるぁ!」と激しい曲や明るいノーテンキな曲でムリヤリ気分をねじ曲げて回復するとか、いろいろあるかと思います。
このアルバムは悲しさと陽気さとがほどよく同居していて、聴いていると自然と心がほぐれていきます。いろんな人に聞いて欲しい名盤です。
投稿者 Kota : 2005年01月29日 15:32
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コメント
Wheel of Life私もかなり気に入ってます。このCDボナも本当に良い仕事してます。ボナ作の曲も良い。この時のツアーはFMで放送(KOULAMANITEはやらなかった。残念!)されましたがTVでも放送して欲しかったです(99年ホメロ・ルバンボとボナがいたライブはWOWOWで放送されました。)。ちなみにMスターンは前作にも入ってましたが、ナベサダはMスターンは好みのギターなのかな?非常に気になってます。
「The Way Up」は赤いペンキが剥げ落ちかけてるヤツ買いました。NYの街の雰囲気が気に入ったので。ところでケースカバー以外は3種全て同じなんでしょうかね?
感想はやっぱり68分長いです。集中して68分は聞けません。昔はプログレ少年だったので、20分1曲は当然の様に聞いていましたけど、今じゃ難しいです。なので、私にはThe Way Up1回聞いただけじゃ全然分りません。YESの「海洋地形学」あたりは本当に最初1回聞いただけでは全然分からなかったけど、何回も聞いてそれを理解していく楽しみがあった様な気がします。The Way Upもそういう感じですかね。私には聞き流すだけならいいけど、良さを理解するまでには暫くかかりそうです。
投稿者 秋田県民 : 2005年01月30日 00:30
秋田県民さんこんばんは。
またまたのご来訪&コメントありがとうございます。
>この時のツアーはFMで放送(KOULAMANITEはやらなかった。残念!)されましたがTVでも放送して欲しかったです(99年ホメロ・ルバンボとボナがいたライブはWOWOWで放送されました。)。
あ、そうなんですか! 知りませんでした。
うーん、そのFMライブ、聴きたいですねぇ。
Wowowのライブもあったんですか。
どっかでもう一回やってくれないかなぁ。
やっぱりWowow入っていた方がいいかなぁ・・・
>ところでケースカバー以外は3種全て同じなんでしょうかね?
どうやらそのようですよ。中は一緒みたいです。
>感想はやっぱり68分長いです。
そうですね。私も今日の明け方近く(笑)、長々と勢いで書いてしまいましたが、一言で言うとそれですね(笑)
>YESの「海洋地形学」あたりは本当に最初1回聞いただけでは全然分からなかったけど、何回も聞いてそれを理解していく楽しみがあった様な気がします。The Way Upもそういう感じですかね。
おー、秋田県民さんはプログレ少年でしたか。
私はプログレはあまり詳しくなくて、「海洋地形学」も聴いたことありません。
噂は知っているので、いつか聴きたいとは思っていますが。
でも「The Way Up」で「1曲68分ぐらい普通だよ」なんて体質になったら、プログレも余裕で聴けるようになるでしょうか?(笑)
>私には聞き流すだけならいいけど、良さを理解するまでには暫くかかりそうです。
そうですね。私も時間かかりそうです。
でも何回も聴きたいという気にさせてくれますし、実際聴いていて楽しいことは楽しいので、「苦行」のニュアンスがないのが救いです(笑)
投稿者 Kota : 2005年01月30日 22:42
YESのLPジャケットは昔はロジャーディーンが書いていて特に「海洋地形学」は個人的に一番好きなジャケットです。(音的には危機が好きですけど)ジャケットと言えば圧倒的にJAZZ系よりROCK系に良い物があると思いますが、ROCK系の人の方がアルバムをトータル芸術と考えているからでしょうか?
ジャケットと言えば「ヒプノシス」も良い物作ってましたね。メセニーの今回やイマジナリーあたりは、「ヒプノシス」が作ったと言われても信じてしまいそうです。
メセニーもジャケットに力入れてるんでしょうね。今回の3種類といのには驚きました。ROCKでは良くありましたけど。個人的にはletter from、We live here、Q&A、等の多数のいろんな絵を貼り絵にした様なジャケットが好きでした。
今後は映画等映像にも進出するんじゃないでしょうかね?以前MTVでthe roots of coincidenceのプロモ放送してましたけど、同じ人が何人も出てきてなんか恐怖を感じさせる様な音と映像がマッチした映画小作品みたいな物でした。でもこれはメセニー自身が考えて作った物かわ分りませんけど。その映像ではメセニー自身はビルの広告塔にメセニーの広告があってその中でギター弾いてるのがちょっと出るだけなんですが。
今回のあの電柱はどんな意味があるんでしょうね?そんな事を考えながら聞くのも楽しいものです。
投稿者 秋田県民 : 2005年02月01日 00:29
>ジャケットと言えば圧倒的にJAZZ系よりROCK系に良い物があると思いますが、
そうですねぇ。
私も以前ここに「ジャケ買い」体験談としてスティーリー・ダンの「Aja」とドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」を挙げましたが、ジャズ系で「ジャケ買い」ってのはしたことないかも・・・
あっ、デビッド・サンボーンの「As We Speak」はそうかな。
80年代初頭のいかにもな「オシャレ」系で、今見てみるとそんなでもないような気が(笑)
あっ、あぁ、一つ重要なのを忘れてた。
グローバー・ワシントンJr.の「ワインライト」。
ジャズというよりはいわゆるスムーズ・ジャズの定番ですね。確か当時ビルボードのジャズ・チャートで半年間首位をキープし続けたという記録を作ったアルバムです。
これまたいわゆる「当時のオシャレ系」で、今ならジャケットで買うことはなさそうですが(^^;、内容は今でも大好きですね。
バックのメンツがすごくて、TOTOの故ジェフ・ポーカロとマーカス・ミラー、ラルフ・マクドナルドのリズム隊にスタッフのエリック・ゲイルがギター、といった組み合わせがあったりします。うーん、久々に聴いてみたくなった。
>ROCK系の人の方がアルバムをトータル芸術と考えているからでしょうか?
なんかミュージシャンが積極的にジャケットまで含めて考えているようにはあまり感じられませんね。
「とりあえずいい曲作っていい演奏した。後はそっちで売れるようにジャケット考えたりいろいろ頑張ってくれ」みたいな(笑)
だからミュージシャンごとというよりも、レーベルごとの違いを感じます。
でもそれはそれとして、好きなジャケットは多いですよ。
たとえばECMは単純に文字だけ、ってのも多いですが、デザイン的には非常に優れていると私は思います。
(でもパットのECMもののデザインはあまり感心しないんですが(^^;)
またいわゆるフュージョン系時代のウェス・モンゴメリーで有名なA&Mレーベルも、ジャケットデザインで一つのスタイルを作り上げたと思います。ロック・ポップス系でのパクリも多かったと記憶してます。
ブルーノートレーベルは単純にミュージシャンの顔アップが多くてイマイチですが、ハービー・ハンコックの「Speak Like A Child」のジャケットは素晴らしいと思います。ジャズアルバムのジャケットでは個人的に1番好きかもしれません。まあ上述のA&Mの影響アリアリ、って気はしますが(笑)
>以前MTVでthe roots of coincidenceのプロモ放送してましたけど、
へー、これは見たことないです。
>映画小作品みたいな物でした。
これはなんかわかる気がします。
そもそもタイトルからして複雑な解釈を呼びそうな感じですし。
>今回のあの電柱はどんな意味があるんでしょうね?
私は単純に上昇運動を表す垂直線の具体化、と考えています。
あの何十にも折りたたんだインナーをザーッと広げて縦にして眺めると、特にそういう気がしてくるんですが、単純すぎるかな?(^^;
もっと独創的で多様な解釈をしてみたいですね。
投稿者 Kota : 2005年02月01日 11:13