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2005年02月17日カテゴリー:パット・メセニー

パット・メセニー・グループ:「Half Life of Absolution」のできるまで

え〜、ぶっちゃけ、今日はネタ切れです(笑)
これといって書くことがないんですが、そういう時のために取っておいた犬写真を昨日使ったばっかなので、奥の手が無くなってしまいました(笑)

っつーか、そんなにあっさり使うネタはそもそも「奥の手」とは言えないという気も・・・(^^;

とにかく、もう一つの最終手段、困った時のパット・メセニーQ&Aということで(^^;、今日はこのネタを選んでみました。

【Pat Metheny Group / The Road to You】
Pat Metheny Group / The Road to You
これも彼らの代表作と言える名盤ですね。
「The Road to You」
(やっぱ初めて聴くPMGはこの辺りが望ましいんですけどね>素麺ちゃん(笑))

唯一このアルバムだけに収録されている「Half Life of Absolution」。

この曲がどういう経緯で完成に至ったのか。
結構面白いエピソードが散りばめられています。

Pat Metheny Group Listener Network : Half Life of Absolution

例によって想像力の豊かすぎる訳かもしれませんが(笑)、ご一読頂ければ幸いです。
パットはいきなりこう切り出しています。

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この曲はとてもユニークな変遷をたどったんだ。僕たちの曲の中でもこんなのは他にない、と言っていいね。

これは1985年頃、あるライブのために書いたんだ。友人でもある日本のトランぺッター、タイガー大越と一緒にやったライブでね。彼はとても素晴らしいミュージシャンなんだ。

僕らはベースのデイブ・ホランド、ドラムスのポール・ワーティコらと共にカルテットでライブをやったんだけど、その日のサウンドチェックの最中にこの曲の骨格を書いたんだ。

その後、ペドロ・アズナールを交えてグループ用のバージョンを徐々に仕上げていった。でも、どうしても今ひとつパッとしなかったんだ。「これだ!」というアレンジにならなかったし、この曲のメロディにピッタリ来る音色も見つけられなくてね(僕がこの曲を書いた時点ではトランペットが頭にあったし、実際トランペットはこのメロディーにピッタリだったんだけど)。

それから数年して、僕らは日本のツアー用にともう一度トライしてみたんだ。アレンジを完成させるために、わざわざ全員が1日早く集合したほどさ。そしてもう一度演奏してみたんだけど --- またそれっきり何年も演奏しなくなってしまった。

そして「The Road to You」をレコーディングしたヨーロッパツアーが始まる直前、もう一回試してみたんだ。今回はギターに新しい音色を使おうと決めていた。そう、「The Road to You」で聴かれるあの音さ。

そして最後のチャレンジとして、ライルが曲の最後に出てくるメロディーをリハーモナイズして、素晴らしいハーモニーのアイデアをたくさん付け加えてくれたんだ。演奏していてワクワクしてくるようなものをね。

この曲を演奏するのは本当に楽しいんだ。たぶん次のツアーでもまた演奏すると思うよ。
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ということでした。
まずはタイガー大越を交えてのカルテットって何? って感じですが(笑)、相当手こずった「難産」だったんですね。

85年に骨格を作って、完成したのが91年ですから、6年越しということになります。
この執着心もさすがです。

最後に「次のツアーでもやると思うよ」と言ってますが、たしか「Road to You」ツアー以降はやってないですよね?

個人的には「First Circle」や「Phase Dance」のように、「ライブで毎回必ずやってほしい!」とまでは思いませんが(^^;、一度生で聴いてみたい曲ではあります。

この曲のディストーション・ギターの音色はそれまでなかったですし、今回の「The Way Up」のディストーションの音色がこれに近い気がしますが、果たして同じセッティングなのでしょうか? そして同じだったとして、もしかしたら今回久々に復活するのでしょうか?

今回のツアー、本当にセットリストが気になります(^^;

投稿者 Kota : 2005年02月17日 17:34
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コメント

kotaさん、いつも素敵な訳文を楽しませていただいております。
Half Life of Absolutionですか!いいですねぇ。
「The Road to You」は私も長年の愛聴盤でして、中でも「Half Life~」は、正にここでしか聴けない音ということで、聴くたびに興奮しまくっています。
いやー、こんな変遷を辿ってできた曲だったとは知りませんでした。「すごくカッコイイ!曲なんだけど、どうしてこれが突然ここに入っているのだろう?」というのがずっと疑問だったのですが(だって、これ以降もこのカンジは演ってないですよね?しかもスタジオでもないのに)、全然「突然」の曲ではなかったのですね。
胸のつかえ(というと大袈裟か)がとれた気分です。早速また聴いてみようっと!

投稿者 ガラ玉 : 2005年02月17日 18:10

ガラ玉さんこんばんは。お久しぶりです(^^)

> いつも素敵な訳文

素敵、素敵、素敵・・・あぁ、なんか頭の中でリフレインしてる(笑)

・・・一応万が一の希望を胸にお聞きしますが、ガラ玉さんは女性ですか?(笑)

> Half Life of Absolutionですか!いいですねぇ。

いいッスよねぇ!

> どうしてこれが突然ここに入っているのだろう?

それは思いますよね。ちょっと異色な曲ですし。
でもまあ私は単純に、ちょうどこのツアーの時にできちゃった曲で、当分これが入るようなアルバムも予定にないから入れちゃおうか、程度のノリかと思ってました(笑)

こうなると後はこのタイトルの意味が知りたいところです。

許し(赦免)の半生? ヤケに意味深なんですが、どういう意味なんでしょうね。

どなたかご存じの方、もしくは推測、推理された方、ぜひ教えて下さい。

投稿者 Kota : 2005年02月17日 21:09

紹介ありがとうございます。見たことあるジャケットだな〜と思って、CD棚を探してみたら、ちゃんと持ってました(^^)。これから、iTunes に取り込んで、もう一度聞いてみます。

投稿者 taknom : 2005年02月17日 22:36

Half Lifeは3年前は全然聞けませんでしたが、今となってはRoad To Youの曲の中で一番お気に入りですよ。それよりもタイガー大越という名前のトランペット吹きの方がいらっしゃることに驚きました(笑)

投稿者 よっき : 2005年02月17日 22:56

taknomさんこんばんは。コメントどうもです。

> CD棚を探してみたら、ちゃんと持ってました(^^)

それは何よりです(^^)
選曲的に、この時期までのベスト盤と言っていい内容ですし、アドリブソロもオリジナルよりいいのが多いと思ってます。楽しんで下さい(^^)/

よっきさんこんばんは。ご無沙汰です!

> 今となってはRoad To Youの曲の中で一番お気に入りですよ。

独特の緊張感がありますよね。それに前半のちょっと前衛的なところからの流れが、サビのディストーションギターでカタルシスを感じさせるところが私は好きです。

> それよりもタイガー大越という名前のトランペット吹きの方がいらっしゃることに驚きました(笑)

結構有名な方で、私は演奏は聴いたことないんですが、お名前だけは知ってました。
で、ちょっと調べてみたところ、

tiger
http://www002.upp.so-net.ne.jp/jsaeki/tiger.html

「タイガー」は寅年から来てるようですね(笑)
でもって神戸出身でタイガースの応援歌作っちゃったらしいです(笑)

ま、これだけだと吉本の芸人みたいですが(笑)、72年にバークレーに入学ということは、ちょうどパットが先生やってた時期ですし、やはりゲイリー・バートンと縁があったようで(後にゲイリーのアルバムに参加してます)、ゲイリー繋がりで在学中からパットと知り合いだったのかもしれませんね。

で、彼の「Two side to every story」というアルバムですが、参加ミュージシャンが

Jack Dejohnette.Gil Goldstein.Dave Holland.Mike Stern

ってなんかものすごい超一流ばっか、これドリームチームですよね!

ちょっと興味湧いてきました。

投稿者 Kota : 2005年02月18日 00:02

kotaさん、私は男性(30歳、北海道在住、Pat暦15年)です。ご期待に沿えず、ゴメンナサイ(笑)。
タイガー大越って、やっぱりマイナーなんですかね。昔から、Musician's Musicianみたいな存在ですよね。僕はラッパをかじっていた関係もあって、よく聴いてました。日本人離れした、というか、かなりオリジナルなフレーズと音色が素晴らしいですよ。

投稿者 ガラ玉 : 2005年02月18日 23:28

ガラ玉さんこんにちは!

> 私は男性(30歳、北海道在住、Pat暦15年)です。

そうですかぁ~!(笑)
年齢的には結構いい組み合わせなんですが(笑)

北海道の方でしたか。やっぱりいま寒いですか?
東京は昨晩から結構冷え込んでいます。
でもきっとこっちとそっちの「寒さ」の基準そのものが違いますよね、きっと。

> 昔から、Musician's Musicianみたいな存在ですよね。

あ、やっぱりそういう知られ方だったんですね。

> 僕はラッパをかじっていた関係もあって、よく聴いてました。

トランペットやられていたんですか。いいなぁ。
管楽器できる方がうらやましいです。

> 日本人離れした、というか、かなりオリジナルなフレーズと音色が素晴らしいですよ。

ますます興味持ってきました。
ゲイリー・バートンに参加したアルバムか、先に書いた超絶メンツのアルバム、機会があったらぜひ聴いてみたいと思います。

まあタイガースの応援歌はいいかな(^^;

情報ありがとうございました!

投稿者 Kota : 2005年02月19日 12:20

21日にMethenyのライヴへ行き、久し振りに過去のアルバムを聴きまくっています。

"Half Life of Absolution" は私も大好きな曲です。独特の雰囲気があって、あの曲だけが他の曲から浮き上がっている印象を持っていました。そんなエピソードがあったとは、知りませんでした。

日本では、"We Live Here" のツアー・ライヴの時に生で聴きました。なぜかDVDには収録されていませんよね。映像は残っているのでしょうから、いつか完全版として再発売して欲しいものです。

投稿者 soirblue : 2005年04月23日 13:37

☆soirblueさんこんにちは、初めまして!
コメントありがとうございます!

> 久し振りに過去のアルバムを聴きまくっています。

soirblueさんは過去に戻られましたか。
私は発売後のヘビロテ後封印していた「The Way Up」を、おとといからまたヘビロテ復活させました(笑)

> あの曲だけが他の曲から浮き上がっている印象を持っていました。

確かに浮いてる印象ありますよね、この曲。

> なぜかDVDには収録されていませんよね。

「We Live Here」のライブには入ってませんね。でも「More Travels」のライブDVDには収録されています。まああちらは純然たるライブではありませんが。

ご存じかもしれませんが、もしまだ未聴でしたらご覧になることをオススメしますよ(^^)

ではまた!

投稿者 Kota : 2005年04月23日 16:39

はじめまして。しめじと申します。
「Half Life of Absolution」のエピソード、とても参考になりました。
ブログ初心者で、トラックバックさせて頂こうと思いましたがうまくいかず、とりあえずご報告までと思い、コメントさせて頂きました。どうぞ宜しくお願い致します。

投稿者 しめじ : 2006年10月22日 14:16