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2005年01月31日カテゴリー:パット・メセニー

The Way Up:Toy instrument ensembleの謎

"The Way Up"をようやく聴くことができたので、海外のPat Metheny Mailing Listメンバーが投稿していたレビューを自分に「解禁」しました。
Pat Methney Group / The Way Up
ま、こちらはたかが知れてる英語力、あちらは俗語、日常会話が満載のネイティブ・スピーキングですから、正直言って3分の1は理解できません(^^; また長いメールは一目見てパスしています(^^;;;

そんな「斜め読み」というか「急降下読み」ではあるんですが、"Toy instrument ensemble" というタイトルのメールが目に止まったので、辞書を片手に読んでみました。

"Toy instrument ensemble" という文字を見て「ピン」と来た方って、果たしてどれくらいいるんでしょうか?

あの延々と柱が続く超縦長のインナーの最後の方に、この "Toy instrument ensemble" なるクレジットがあるんです。

クレジットの記載を引用すると、"Toy instrument ensemble" の内訳は

Pat (toy guitars)
Lyle (toy xylophone)
Steve (violin)
Cuong (toy whistle)
Richard (toy guitar)
Antonio (toy xylophone)

となっています。

恐らくオモチャのような楽器をメンバーが手にして、どっかでさりげなく何か遊びっぽいことをやってるんだろうなぁ、とは思っていたんですが、なにせまだ7、8回「しか」聴いていないので(笑)、そこまで細かい注意を払うことができていません。

そこにこの "Toy instrument ensemble" についての仮説を投稿したメンバーがいました。以下は私のつたない(かつ、時々かなり大胆な)意訳&要約です。

*******************************
"Toy instrument ensemble" は、「The Way Up」のまさに冒頭の部分の演奏で、メンバー全員が「子供として」演奏しているのではないだろうか。そしてサンチェスが最初にきちんとしたビートを叩くまで続けられていて、そのビートによって「子供時代」が「現在」にスイッチし、「大人」である彼らが現在の演奏を始めることで「The Way Up」が本当の意味で始まるのではないだろうか。

さらに仮説を進めていくと、「The Way Up」とはパットとライルの音楽的成長の物語、と言えないだろうか。子供時代に初めて楽器を手にした頃から、常に破壊と再生を繰り返しながら、彼らがチームとして切り開いてきた音楽的地平、その現在までの音楽的な軌跡を追ったものではないだろうか。そう考えると、このアルバムが「The Way Up」(上昇、向上)と名付けられたことにも納得がいくと思う。

このアルバムにもし別の名前を付けるとしたら、こう言い換えることはできないだろうか 。

「Toy instrument で遊んでいた子供の頃から、僕らはどんな道を上って今の音楽にたどり着くことができたのか」と。
*******************************

こんな感じです(たぶん(^^;)

正しいかどうかよりも、こういう想像をしてみるだけでも楽しいよなぁ、と思ってちょっと紹介してみました。

あとで早速アルバムで出しの部分を念入りに聴いてみたいと思います。
それと他の人からの指摘で、「Part 1の12分04秒のとこでも Toy instrument ensemble が鳴ってないか?」というのがありました。これも確認してみます。

しっかしみんなマニアだよね、ホント(笑)

投稿者 Kota : 2005年01月31日 17:03
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コメント

クレジットには気付いていましたがどこで演奏されているか注意を払って聴いていませんでした。
仕事場に置いてきたので今夜、聴いてみます。
ライヴでも演奏しますかね?楽しみ♪

ところで前作から参加のアントニオ・サンチェス、すごいですね。前のポール・ワーティコも好きだったのですが、サンチェスもすごい。今度初めて生で観るのでワクワクします。

話はまた違いますが・・・
これは多くの方が指摘していますし本人もどこかで話しているかもしれませんが、PMGとPMの活動は「愛」「調和」「平和」「信頼」「勇気」「世界」「許容」「元気」などがテーマになっていると感じています。

音楽性やメンバーもアメリカとヨーロッパに限らずブラジル、メキシコ、中国(ベトナム?)、日本(矢野)など様々ですし。

テクニックだけでなく、背景にこういった「愛」や「調和」のような強い「思い」を感じるから彼の音楽に魅了されているような気がしてなりません。

投稿者 longrow1967jp : 2005年02月01日 12:48

私も投稿する前の段階では聴いていなかったのですが、改めて注意してみたら、確かにオープニングとPart1の12:04でそれらしき音は聞こえるような・・・

でもここから「子供時代から現在への足跡云々」っていうのはちょっと飛躍し過ぎかなぁ〜、と正直思いました(^^;

>ライヴでも演奏しますかね?楽しみ♪

オープニング部分だけでしたら、「First Circle」の「Forward March」のようにブンチャカやって(笑)、サンチェスのドラムスを合図に全員一斉に楽器持ち替え! というのはあるかもしれませんね。

>前のポール・ワーティコも好きだったのですが、サンチェスもすごい。

私もワーティコ大好きでしたが、サンチェスも本当にすごいですね。最高です。

「The Way Up」はSON(Speaking of Now)の延長線上、という感想は多くあり、自分も部分部分でSONを思い出すフレーズや「キメ」などがあるのですが、SONの延長というのはむしろサンチェスの存在そのもののせいなんじゃないか、とすら思うようになっています。

つまりサンチェスの存在がPMGの本質的なところを支えていて(ドラムスなんですから当然と言えば当然ですが)、彼の存在がすでにパットやライルに匹敵するほどの重要な核になっており、SONとTWUとの本質的な類似は、要するにサンチェスの存在を指しているのではないか、という気がしています。

>今度初めて生で観るのでワクワクします。

すごいですよ、生サンチェス(笑)
ホントにあっけにとられます。

>これは多くの方が指摘していますし本人もどこかで話しているかもしれませんが、PMGとPMの活動は「愛」「調和」「平和」「信頼」「勇気」「世界」「許容」「元気」などがテーマになっていると感じています。

私もそう思います。一言で言うと「肯定観」ですね。

パットおよびPMGがすごいと思うのは、この「肯定観」が圧倒的な説得力を持っていることです。

「愛は地球を救う」とか「世界は一つ」とか「人命は地球よりも重い」等々、「肯定」の言葉というのは、口にするのがひどく簡単で、そのかわり説得力を持たせて、心から人にそう思わせるのが非常に困難なものだと思います。

それは音楽でも同じで、「肯定観」を抱かせるというのは至難の業だと思うんです。

音楽で喜び、怒り、悲しみといった感情や、楽しい、落ち着く、といった気分を抱かせるのはそれほど難しくないと思うんですが、「肯定観」というのはもう一段抽象度が上で、それだけ難しいと思います。

そういう稀な音楽、「肯定観」を抱かせてくれる音楽を生み出し続けるのが、パットとPMGのすごさだと思います。

投稿者 Kota : 2005年02月01日 15:03