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2005年03月27日カテゴリー:ボブ・ディラン

アクセス10000突破~ボブ・ディラン:Under The Red Sky

昨日は深夜二時半まで飲んで、そのまま外泊して昼過ぎにちょっとした打ち合わせをし、夕方に帰ってきました。眠い上にちと酒が残っていてグダグダな日曜でした(^^;

さて、お伝えしたように昨日10000アクセスを突破することができました。
いつも来て下さっている皆さん、本当にどうもありがとうございますm(__)m

ただ残念ながらキリ番ゲッターの名乗りがありませんでした(^^;
ま、こればっかりはしょうがないですよね。

一応下がその時のカウンターの画像です。

10000アクセス

前回の5000アクセスの時は友人のMUNETOがゲットしてくれて画像も送ってくれました。感謝の気持ちを込めて彼の紹介をしましたが、今回はゲッターが現れませんでしたので、代わりに10000アクセスの画像をちゃんと保存していたKotaさんをご紹介したいと思います(笑)

いずれやろうと思いながら今日までやっていなかったネタが一つあります。

ブログ名の「Under The Red Sky」の由来です。この機にちょっと説明させていただきます。

ま、ディランの好きな方はすぐお分かりですよね?
1990年に発表されたアルバム「Under The Red Sky」のタイトルをそのまま拝借しています。

【Bob Dylan / Under The Red Sky】
Bob Dylan / Under The Red Sky
このアルバムはディラン・ファンの中での評価はまあまあ、というところでしょうか?

確かにこの前作に当たる「Oh, Mercy!」が「90年代の『欲望』」とまで言われた傑作ですし、ディランの長い歴史の中においては、これといって特筆すべきアルバムではないことは確かです。

ただ1.の「Wiggle Wiggle」や3.の「Unbelievable」、最近のツアーでアンコール前後に歌われる10.の「Cat's in The Well」など、ノリのいいロック・ナンバーや、80年代のゴスペル時代を髣髴とさせる8.の「God Knows」、ユニークな歌詞を語りかけるように歌う7.の「2X2」、穏やかなラブ・バラードの4.「Born in Time」など、なかなかの歌曲が揃っています。

そしてなんといっても素晴らしいのが2.のタイトル・チューン、「Under The Red Sky」です。心に残る名曲、ディランの90年代の傑作の一つとして挙げたい、大好きなナンバーです。

このアルバムはドン・ウォズをプロデューサーに迎え、ゲスト・ミュージシャンとしてスティーヴィー&ジミーのレイヴォーン兄弟(もったいないことにあんま目立ってないんですが(^^;)、スライド・ギターにデヴィッド・リンドレー、もう一人ギタリストとしてワディ・ワクテルキース・リチャーズエクスペンシブ・ワイノーズのセカンド・ギタリスト)、ピアノにブルース・ホーンズビー、キーボード・オルガンにアル・クーバー、パーカッションにポリーニョ・ダ・コスタと、もんのすごいメンツを集めています。もう「神様」が一声かければこれぐらいパッと集められちゃうんでしょうね(^^;

ところが、これほどのメンツなんですが、それほど上手い使い方をしてないんですよ(^^; やっぱりディランの前ではあまり個性を出し切れなかったんですかね。

ところがもう一人、非常に素晴らしい仕事をしたミュージシャンがいます。

それがこの「Under The Red Sky」ただ一曲にギタリストとして参加した、故ジョージ・ハリスンです。

ジョージはクリーン・トーンのスライド・ギターでソロを取っています。
しかしこのギター・ソロ、声高らかに歌い上げるのでもなければ、情感たっぷりにコテコテのソロをするわけでもなく、いわんやテクニックに走るわけでもない、なんてことのない12小節のソロです。

でも、これがなぜか印象に残るんですよ。陳腐な表現ですが、ジョージの人柄がそのまま音になったような気がするんです。優しさと博愛主義と包容力をもったジョージの人柄が。ギター弾きが年月を重ねるというのは、こういう音を出すことなんじゃないか、そんな気がしてくるんです。

歌詞もすごいんです。も~何言ってるか全然わかんない(笑)

ヘッダーの夕陽の画像の右下に入れてある語句、

There was a little boy and there was a little girl.
And they lived in an alley under the red sky.

というのは歌詞の冒頭です。

一人の少年と一人の少女がいた。
赤い空のもと、二人は路地で暮らしていた。

とまあ、誰でもわかる中学生英語で始まるんですが、この二人、二番の歌詞ではこうなります。

ある日、少年と少女は一緒にパイに焼かれてしまったんだ。

はぁ? でしょ(笑)
途中にこれといったストーリー進行もありません。突然パイになっちゃいます。(笑)

ついでに歌詞の最後はこう終わります。

月にいる男は家に行き、川は枯れ果ててしまった。

一体何を言おうとしているのか、何かの比喩なのか? 寓意があるのか?
そんなことは全く私にはわかりませんし、正直それほど興味もないんです。

ただこの淡々とした飾りのない曲、素朴なメロディーのこの曲が、全く理解不能で見ようによっては残酷、もしくは非常な歌詞と組み合わさっていること、そこにある種の「畏怖」を覚えます。世界は見かけだけではわからない、という「怖れ」と言っていいかもしれません。

しかし名曲「The Ballad of A Thin Man」の不条理に満ちあふれた世界のような脅迫ではなく、あくまで優しく、穏やかに、安らぎを覚えるような曲調の中に、さりげなく潜んでいる「トゲ」が、何気ない日常の繰り返しから「ハッ」と瞬間目を覚まさせてくれて、そしてまた平和な日常の中にまどろんでいく、そんな不思議な感覚を覚えたりします。こんな感じ方、私だけかもしれませんが(^^;

というわけで結論としては大好きな曲です(笑) そしてロリポップでドメイン名を決める時、「under.jp」という選択肢があり、「under」と言われちゃあ「redsky」しかなかろう! と反射的に思いつき、その一瞬でドメイン名とブログ・タイトルとブログの視覚的イメージがいっぺんに決まり、こうしていまのブログが出来上がった次第です(^^;

またまた長くなりましたが、以上が「Under The Red Sky」感想及びブログ「Under The Red Sky」誕生秘話でございました(^^;

これからもご愛顧、ご愛読のほど、よろしくお願いいたしますm(__)m

投稿者 Kota : 2005年03月27日 23:23
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コメント

kota さん、どもです。

いつか聞こうと思っていたんですが、そうだったんですね。
なるほどデュランでしたか。

ヘッダにある
「There was a little boy ~~ under the red sky.」
っていうどこか寂しげで、懐かしさを感じるフレーズですが、
このフレーズとkotaさんの顔がどうにも結びつかなく
て(爆)、いつか由来を聞いてみようと思っていたんです。

そのうちデュラン入門講座開いてください。
ちなみに私が知っているデュランはウォッチタワーだけっす(^^;
しかもジミヘンの(笑)

ではでは。

投稿者 syd : 2005年03月29日 15:27

sydさんども、お久しぶりです!

sydさんの趣味じゃない内容ばっかなのに来てもらってすんませんです(^^;

> なるほどデュランでしたか。

やっぱ日本語表記は「ディラン」かと(^^;
ま、ここではあんまりミスやポカへのツッコミはしないんですが(他ではバシバシやるけど(笑))、これはやっぱ気になるもんで。

「デュラン」と来るとどうしても「デュラン・デュラン」が浮かぶ年代ですし(笑)

それはさておき、

> っていうどこか寂しげで、懐かしさを感じるフレーズですが、

童話の始まりのようですよね。私も好きなんですが、ストーリー展開は童話の域を遥かに超えています(笑)

> このフレーズとkotaさんの顔がどうにも結びつかなくて(爆)

顔は関係ないやろ!(笑)

> そのうちデュラン入門講座開いてください。

ん〜、講座もクソもなくとにかく聴け! って感じですが(^^;

さすがにプログレっぽいのは皆無ですが(笑)、あ、でも20分以上の曲も一つあったか。
でもまあコード進行はシンプルで典型的なものばかりなので、たぶんその辺では抵抗感はないのではないか、と。

> ちなみに私が知っているデュランはウォッチタワーだけっす(^^;

いや、さすがに「風に吹かれて」「ライク・ア・ローリング・ストーン」「Mr. タンブリンマン」ぐらいは知っとるでしょう!

っつーかアンタその歳で音楽趣味にしててこれら一度も聞いたことなかったら相当恥ずかしいッスよ、マジで(爆)

一応「風に吹かれて」はPPMでも可、「ライク・ア〜」はストーンズでも可、「タンブリンマン」はロジャー・マッギンでも可にしてあげますから(笑)、まずは確認しなさい(笑)

投稿者 Kota : 2005年03月29日 17:46

kota さん、どもっす。

> > なるほどデュランでしたか。
> やっぱ日本語表記は「ディラン」かと(^^;

ディランをデュランと書いてしまうほど、超初心者っつうことですね(^^;

っていうか、

> っつーかアンタその歳で音楽趣味にしててこれら一度も聞いたことなかったら相当恥ずかしいッスよ、マジで(爆)

わずか3ヶ月で10000ヒット達成した人気ブログで
とんでもない赤っ恥かいているわけ? おれ(^^;;;

生まれは日本なんですが、育ちがブリティッシュロックな
もんで、ほんとアメリカのことは知らないんですよ。

> ん〜、講座もクソもなくとにかく聴け! って感じですが(^^;

今度、遊びに行きます(笑)

投稿者 syd : 2005年03月29日 19:43

sydさんどもども(^^)

> わずか3ヶ月で10000ヒット達成した人気ブログで
> とんでもない赤っ恥かいているわけ? おれ(^^;;;

3ヶ月で10000ヒット達成で人気ブログと言えるかどうかは置いとくとして(笑)、え、マジで「風に吹かれて」とか、知らない?

いや、同年代の普通の人がディラン知らないってのは全然問題ないけどさ、音楽ファンじゃん?

メインはプログレだろうけど、ロックいろいろ聴くじゃん?

70年代の洋楽聴いて育ってさ、「ライク・ア・ローリング・ストーン」知らないっていうのは、「イエスタデイ」や「サティスファクション」を知らないに近いと思うんスけど(^^;;;

> 生まれは日本なんですが、育ちがブリティッシュロックな
> もんで、ほんとアメリカのことは知らないんですよ。

ま~ブリティッシュ一辺倒ならそうなるかなぁ・・・

あ、でもアンタ拓郎だって聴くじゃん!(笑)

拓郎聴いてディラン知らないなんて、絶対何か間違えてるって!(笑)

ダメダメ、一回人生やり直し!(爆)

> 今度、遊びに行きます(笑)

わかりました。いつでも来なさい!(笑)

投稿者 Kota : 2005年03月29日 20:22

初めまして!Musicmanさんのブログで、
寺尾聡さんのギターについて教えていただいた者です。
僕も、ブログタイトルを、尊敬するミュージシャンの著作から引用しましたので、
トラバらせていただきました☆
これからもよろしくお願いします!
僕は90年代以降のディランはよく知りません。
グラミー独占したやつぐらいしか・・・
で、ディランといえば、「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」が印象深いです。
学生時代に、当時片思いの子を思いながら聴いてました・・・
あと、「ミスター・タンブリン・マン」もいいですね!
ディランの価値観、宗教観、宇宙観といったいろんな観念が、
比喩を駆使して語られる大傑作だと思います。
それなのにディランは明るく歌いきってるんですよねえ。
バーズの美しいカバーも大好きです。

投稿者 Takashi : 2005年04月10日 01:29

Takashiさん初めましてこんにちは!
書き込みわざわざどうもありがとうございます!

> 僕も、ブログタイトルを、尊敬するミュージシャンの著作から引用しましたので、
> トラバらせていただきました☆

拝見させて頂きました。
レノンの処女エッセイですか!
シブイとこ付きますね~!(^^)

> で、ディランといえば、「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」が印象深いです。

いいですよねぇ(^^)
ちなみに「フォークの良心」と呼ばれるリッチー・ヘイブンズという歌手がこの曲を長い間カバーしていて、ディランの30周年ライブでもやっているんですが、もんのすごい名演です!

本気で感動しました。ディランの曲をディラン以外がカバーした例では、彼が最高だと思っています。もし機会がありましたらぜひ一度お聞きになってみて下さい。オススメです(^^)

タンブリン・マンも名曲ですよね。歌詞の解釈は人それぞれいろいろあると思いますし、正直私にはよくわからないんですが(^^;、あの呼びかけるようなメロディーが大好きです。

あとでTakashiさんのブログにもお邪魔させて頂きます(^^)

それでは今後ともよろしくです(^^)

投稿者 Kota : 2005年04月10日 11:00

 こんにちわ!「ボブ・ディラン」という文字に、つい反応してしまった(笑)、ソウルマンという者です。
 以前に「欲望」について書かれていたのも拝見したのですが、細かいところまで書かれていて、面白かったです!実は、「欲望」って、ぼくが初めて買ったディランのCDなのでので、思い入れが強いんですよね。
 …で、【Under the red sky】についても―特に"ballad of a thin man"との比較のくだりですね―「へぇ~、そんな聴き方があるんだぁ!」なんて、妙に納得(今、超久々に聴きなおしてたり。。。)してます。また遊びに来ますね。

投稿者 ソウルマン : 2005年04月10日 15:01

ソウルマンさん初めまして!
ようこそお越し下さいました&コメントありがとうございました!

> 以前に「欲望」について書かれていたのも拝見したのですが、細かいところまで書かれていて、面白かったです!

あ、そうですか!
いやー、ありがとうございます(^^)

ディランのファンの方って、もうそれこそ命賭けてる! ぐらいの方もいらっしゃるので(^^;、そういう人に読まれたらどうしようと結構緊張したりするんですが(^^;、そう言って頂けると本当にウレシイです(^^)

> 実は、「欲望」って、ぼくが初めて買ったディランのCDなのでので、思い入れが強いんですよね。

ああ、「欲望」が初めてってのはラッキーだったんじゃないですか?

第一印象でイマイチなのつかむと結構後引いたりしますからね。

ちなみに私は「ブロンド・オン・ブロンド」ですかね、ちゃんと丸々通して1枚聴いたのは。やっぱりアレが衝撃的で今に至ってる気がします。

> 【Under the red sky】についても―特に"ballad of a thin man"との比較のくだりですね―「へぇ~、そんな聴き方があるんだぁ!」なんて、妙に納得(今、超久々に聴きなおしてたり。。。)してます。

ありがとうございますm(__)m
こうして聴き直してもらえたりするとウレシイですね。私とは違う印象、感想をもたれることもあると思いますが、自分の文章が誰かにとって何かのきっかけになる、というのは本当にウレシイものです(^^)

> また遊びに来ますね。

ありがとうございます。ぜひまたお越し下さい!

それでは!

投稿者 Kota : 2005年04月10日 20:56